メンバーコラム
スタッフのバイクライフ
2014-10-16
No.23 トライアンフ エクスプローラーでの初キャンプツーリング
合流してキャンプ場へ
タイガーエクスプローラーでは初のキャンプツーリングに行ってきました。社長と、いつものメンバーが、プチキャンプを頻繁にやっている、いつものキャンプ場です。
お盆には仕事が入り、皆と一緒にはキャンプに行けなかった、タイガー800に乗るT.Yさんを誘って、前日からスクランブラーで能登を走っている二人と連絡を取り合って、合流地点へ向けて出発しました。
T.Yさんは、知人が登山をされていたのでキャンプの経験はあり、初のキャンプツーリングは、タイガー800に乗り、知人の方と体験されたようです。バイクでのキャンプは2回目ですが、タイガー800に荷物を積み込んで、キャンプツーリングに行けることが楽しみのようでした。
スクランブラーに乗るNakaさん、村田さんの二人は能登でキャンプして、タイガー800に乗る中嶋さんは日帰りの予定で、3台のトライアンフは、私とT.Yさんがキャンプする前日から、能登を周り楽しんでいました。
スクランブラーの二人とは、カブツーリングでおいしい湧水を汲んだ、(私は見ているだけでしたが・・)場所で合流して、水タンクに水を汲み、その後買い出しをしてキャンプ場を目指しました。
キャンプ場では皆で食事を楽しみ、T.Sさん持参のクラムチャウダーも頂き、みんなと長閑な時間を過ごし、眠りにつきました。翌日の早朝には、NC700Xに乗る澤田君がやってきて、帰りはNC700Xを加えた5台で、岐阜までの道中を楽しみました。
巨大なエクスプローラーの意外さ
いつもは、其々にミニタープなどを持参するのですが、初参加のT.Sさんを交えて皆と歓談できればと思い、大人数の時や天候が怪しい時のみに使うビッグタープを持っていくことにしました。エクスプローラーは、タイガー800の時よりも、ビッグタープの分だけ、少し多めの積載になりました。
エクスプローラーは、荷物が多少増えても極低速でもふらつくことのない安定感があります。しかも、ワインディングでは、大柄な車体がコンパクトに感じられるガッチリした感じで、荷物を積んでいることを忘れさせてくれるほど、腰のあるしなやかな足回りは、軽快なライディングを楽しませてくれました。
フル積載状態でもフレームやシートレールは、今までにない剛性感があり、エンジンはコンディションを整えれば、低速から滑らかで扱いやすく、特にフロントサスのダイレクト感が悪路では良く、前後共に腰がある。ミッションレシオやファイナルレシオは日本の道に最適!!今まで乗って来た他の大型デュアルパーパスモデルよりも扱いやすく、楽しめる、と社長がエクスプローラーをベタ褒めしていたのを思い出し、なるほど!これか!と、まさに納得です。
連休中にも関わらず、工事中の対面通行が多くあり、車も多く流れが悪い中、タイガー800同様にファイナルレシオも日本の道路には最適で、極低速から粘りのあるトリプルエンジンは、ギアをトップのまま、半クラッチを当てることも無く、低速で流すことをいとも簡単にこなしてしまう。タイガー800よりも大柄なエクスプローラーなのですが、極低速走行の状態が長く続いても、ハンドルポジションは、BMW R1200GSよりも近く楽に感じました。
キャンプ場の芝の上での取り回しは、さすがに軽量なタイガー800には及ばないが、車両を押しているときの安定感はタイガー800同様に安心感があります。
エクスプローラーはサイドスタンドを出すときに、左足を少し内側にいれて足を下すと、なんの違和感もなくスタンドを出すことができ、接地面の広い底は、キャンプ場の芝の上でもスタンドが沈むことも無く、安心して車両を立てることが出来て、使いやすく、よく考えられていることに感心しました。
私はツーリングをしていて一番気をつかうのが、停車状態から動かす時で、特に重量級のオートバイは車重があり、荷物満載の車両を起こすのは貧弱な私の体型では一苦労です。荷物満載なら尚更冷や汗ものですが、スタンドの角度も、日本と同じ左側通行のイギリス車だからなのか、楽々と起こせる車体の角度は、HONDA車同様に安心できます。
今までは、タイガー800よりも大きいエクスプローラーを、キャンプツーリングなど積載状態で乗る事は敬遠していましたが、今回のツーリングで極低速の渋滞の中で、エクスプローラーを走らせて、800と大差なく扱える事で、思うと乗るでは大きな違いがある事を実感しました。今後もいろんな事を体験して楽しみたいと思います。
やはりエンジンコンディションが最優先
今回のキャンプツーリングは、連休中ということもあり、行きは低速走行の連続でした。エクスプローラーは、ギアがトップでアイドリング状態からでもアクセル オンすると、ファイナルレシオも抜群で1200の排気量は余裕があり、楽々と加速をして、大柄な車体でもストレスが溜まることもありませんでした。
メンテナンスでコンディションを整えたエクスプローラーだからこそ、荷物を積み込んで総重量が増えた状態に加えて、渋滞で低速走行を強いられる中でも、難なくクリアして、キャンプツーリングを楽しむことが出来ました。
しかし、エンジンコンディションが整っていない車両では、低速状態を強いられる渋滞などでは、ギアを低くしても、半クラッチを当てっぱなしで、休まる時がありません。それは、排気量に関わらず総ての車両に云える事です。
低速でギクシャクして使い難いとか、エンストをするが・・・という問い合わせがありますが、車両をチェックしてみると、それらの多くは、走行距離に見合ったチェックが行われていないのが実情のようです。テスターチェックのみでは、それぞれの車両が持つ、本来の良さを引き出すことは出来ません。
バイク屋は、ライダーとしての実体験が必要
バイク屋としてメカニックとして、バイクに乗らないと判らないことが大半で、バイクに乗り続けて実体験することは、其々の車両に対する先入観を取り除くうえでも大切なことだと改めて思いました。
車両の状態は、使用状況などにより絶えず変化しますから、その時その時に経験したことを蓄積することが大切だと聞いています。それは、ライダーとしての実体験を蓄積することだと思います。
スクランブラーやT100などトライアンフのクラシックシリーズは、社長が長年に渡って乗り続けてその時その時に感じた違和感について、何が原因で、どうすれば対処できるか、社長と二人三脚で試行錯誤して、進化の過程を楽しみながら、ボルトオンパーツを組み付けるだけでの安易な方法では得ることの出来ない、心地良く走り続ける楽しさのある、2014仕様に仕上げた良い例だと思います。
実体験と疑似体験
VTR-Fに乗る社長と北海道へ一緒に行ったバイク屋の小藤さんは、NC750X LDのフロントサスに問題がある事を社長から事前に聞いていたそうですが、実際に違和感を覚え、乗り難くなることを体感したそうです。
バイク屋として、NC750X LDをロングツーリングで初めて走らせた小藤さんは、その変化をバイク屋として体験してみたいと、取り敢えずプリロードアジャスターを取り付けて北海道へ行かれたようです。
その後、プリロードアジャスターによる調整だけでは無理な事を知り、NWJCオリジナルのWPフロントスプリングに換装して、違いをチェックするために、NC750X LDに荷物を積載して、社長を誘ってキャンプに行かれました。
NWJCのNC700Xは、数年前にその変化をライダーとして実体験して対策を施しましたが、違和感について実体験のない情報を得ても、判らない事だし対処することも難しいと思います。
NC700やNC750に乗る方から、フロント周りの違和感について相談を受けることがありますが、実体験していると、その症状などについても、はっきりとイメージすることが出来ますから「こんなもんです」という対応ではなく、対策を施したNC700Xに試乗して、違いを体感していただくことにより、納得のいく対策を提案することが出来るのです。それは、ライダーとしての実体験を蓄積したノウハウが有ればこその対応だと思っています。
休日のバイクライフを楽しむ
私は、次の日が定休日でしたから、タイガーエクスプローラーに乗り、早朝ツーリングを楽しみながら、社長たちのいるキャンプ場を目指しました。途中で、小藤さんのNC750Xとすれ違い、VTR-Fに乗る社長はもう出発したのかなと思いましたが、VTR-Fは走ってきません。
キャンプ場へ到着すると、社長はテントを撤収する気配も無く、コーヒーの豆を挽いていましたから、一緒にコーヒー タイムで暫し長閑な時間を過ごし、空荷のエクスプローラーにVTR-Fに積載してきたキャンプ道具を一つ載せて、白い花の咲く蕎麦畑を眺めながら、帰りの道をVTR-Fと楽しみました。
先行するVTR-Fは、NWJCオリジナルのツーリングキャリアのおかげで、荷物を積載しているにも関わらず、荒れた路面や高速コーナーでも荷物が動くことなく、車体が安定していました。タイトコーナーの連続する峠道では、軽量なVTR-Fは、積載状態であるにもかかわらず、ヒラヒラとコーナーを抜けて離れて行く。 その走りは、能登へツーリングに行った時よりも軽快さを増し、更に進化していることが伺えました。
積載性の低いバイクではパワーやスピードがあっても、荷物を満載にして行くキャンプツーリングなどは、荷物の固定が悪いと、不安定な積荷が気になって、ライディングを楽しめません。ツーリングキャリアの威力は、ストリートトリプルーRの時から実感しています。これも、ライダーとしての実体験がベースとなった発想です。
バイク屋NWJCは、ライダーとしての実体験をベースにして、不調のバイクをライテクで乗りこなす事よりも、メカニックとしてコンディションを整えて使いこなせるバイクに仕上げて、新旧関わらず、乗れば乗る程に愛着が湧いて、いつまでも楽しめる1台を提供することが大切だと思っています。そんなバイクライフを皆さんと共に楽しみたいと思っています。
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