メンバーコラム
スタッフのバイクライフ
2011-10-31
Honda CB三兄弟一気乗り比較ツーリング ~NWJC試乗車編~
NWJCで使用しているCB400SBとCB1100,CB1300STの試乗車を高速主体で山陽、山陰方面へ一気乗り1,300km比較ツーリングに行ってきました。もちろん試乗車は総てNWJC独自のメンテナンスでベストコンディションに仕上げてある車両による比較です。
比較ツーリングは今回で3回目
比較ツーリングの1回目は、昨年の夏にCB400SBとBMWF800Rで信州に日帰りツーリングを行いました。BMW F800Rに対してCB400SBは半分の排気量ながら、V-TEC搭載のエンジンから足回りまでトータルバランスを重視したメンテナンスで、中型車の400ccとは思えない実力を目の当たりにした思い出深い比較ツーリングでした。
2回目は昨年の11月22日~24日の2泊3日で山口、広島、島根、鳥取等を高速や一般道を使いCB400SB、トライアンフ ストリートトリプル タイプRの比較ツーリングでした。社長が、BMW R100RTにタンデムで同行して、山陰方面の県道等では先導して僕たちを引っ張ってくれたり、休憩のときにはライダー目線で、色々とメンテナンスについてアドバイスをしてくれたりして、約1,350kmの道のりを楽しんできました。
前回までの2回は、HONDA CB400SB vs トライアンフ 675やBMW F800Rなどミドルクラスの外車勢との比較でした。今回は同じHONDAのCB1100とCB1300STという兄貴分にあたる車両と一緒に走り、其々に各車を乗り比べて、各車の特徴や魅力をもう一度見直して、日本の道を心地よく楽しむ仕様に仕上がっているのかを3人のライダーで色々な角度から再度確認することが目的です。
明さんと僕に、社長のツーリング仲間のバイクショップ可児の小藤さんが加わって3人での走行。残念ながら社長は他に予定があり、一緒に走ることができず現地で合流することとなりました。参加できれば多分CBR250Rに乗って行ったんじゃないかと思います。
NWJC比較ツーリングの始まりは?
自分たちが扱っているバイクの事は、カタログやスペック、雑誌のレビューなどを読んだ情報を鵜呑みにして、来店されたお客さんに話をすることは極力ひかえて、自分たちの体験談をもとに商品説明や情報提供をしています。
メーカー出荷の工業製品を登録からナラシも含み、実際に長い距離を走らせることで、エンジン調整や足回りの調整等トータルで、車両を仕上げるための確認作業や試運転的な事も含み、ライダーとしてメカニックとしてツーリングを楽しんでいます。NWJC独自のノウハウを蓄積することにより、NWJCから納車されるバイクは、ツーリングライダーやメカニックとして蓄積したNWJC独自のノウハウをフィードバックして、ベストコンディションに仕上げた車両で楽しんでもらえればという事が、NWJC比較試乗ツーリングの始まりです。
CB400SBを比較試乗の中心に使っている理由は、サイズもコンパクトで扱いやすく乗り手の基準作りのような感じで、大排気量になれば必要以上のパワーを基準にすることとなり、パワーや車格に誤魔化されてしまう恐れもあるし、比較の基準が定まりにくいということで、一般公道を常識的な判断で使いこなせるバイクを基準にすることがベストであると思っていますし、楽しみ方は十人十色ですから、排気量、スペック、車格、カテゴリーなどバイク其々の楽しみ方を尊重するうえでもCB400SB Revoをスタンダードとしています。
今回は中国道が中心の高速ツーリング
今年は時間の都合上1泊のみとなりましたので、大雑把なルートは北店を出発して羽島ICから名神高速に乗り中国道を走りました。中国道ルートでは、目的地まで100Kmほど距離は遠くなり、取り締まりが厳しく覆面には要注意という条件付きでしたが、今回もレーダーを装備していたので、ついうっかり・・・という心配もなく、安心して走ることが出来ました。
景色も良く、路面も適度に荒れていてカーブも多くて一般道に近い感じでツーリングを楽しめるのが魅力です。中国道西宮「名塩SA」で給油と車両交代、「大佐SA」で給油と車両交代、広島自動車道を経て山陽道「熊毛IC」で降りて目的地到着しました。
翌日は田布施岩城山の神籠石を見学後、午後3時頃に出発して「熊毛IC」で山陽道に入り、同じルートを戻る感じで「大佐SA」にて給油と車両交代、大佐に着く頃がちょうど日没の時間で「大佐SA」を出てから徐々に暗くなり始めました。
吉川JCTまで走りましたが、工事渋滞を避けるために、舞鶴若狭道に乗り「西紀SA」で最後の給油と2回目の車両交代をしました。工事渋滞を避けるのとせっかくだから少し遠回りして、空いている下道を走るルートに変更しました。「小浜西IC」で降りて、車も少ない夜の27号線、303号線を走り「木之本IC」で再び高速に乗り「羽島IC」で降りて北店に到着したのは夜11時頃で予定通り?日付の変わる前には戻れました。
2日間の走行距離は約1,300kmで全員無事到着して、今年の山陰、山口方面一気乗りNWJC試乗車比較ツーリングを終えました。
一日目のツーリングを終えて、夜は皆でのんびりと温泉に浸かりながら今日一日走り比べてみて感じたことやエンジンや足回りについて色々な話をしました。
CB400SBは名車でありHONDAの自信作
現在使用中のCB400SB(V-TEC REVO)は1992年に発売のCB400SFの初期型からなんと19年目を迎えています。外観の変更も最小限に控えてエンジンや足回り、ポジション、燃料計、時計、ブレーキ性能等、毎年細かなマイナーチェンジを繰り返して、1999年にV-TECを搭載してからは、スペック1,2,3とスーパーボルドールもラインナップに加わり、REVOで初のフューエルインジェクション「FI」搭載モデルで劇的な進化を遂げた4代目まで、長い歴史が物語るようHONDAのコダワリを如実に現している名車だと思います。
モデルチェンジで外観が大幅に変わってしまったり、短命で生産終了するバイクが多い中で、CB400SFシリーズのように外観は変わらず中身がドンドンと進化しながら継続しているバイクは、外車も含み意外に数少ないと思います。
CB400SBの評価は・・・?
今回乗った中で、一番楽しめたのはどのバイク・・・?3人共「CB400SB」という答えは、CB400SB Revoの劇的な進化と、日本の道や環境を知り尽くした、HONDAの中間排気量に対するコダワリを如実に示していると思います。
意外と思われるかもしれませんが、BMW F800Rやトライアンフ675ストリートトリプルとの比較試乗をしたときもCB400SBの出来の良さというか性能の高さを知ることが出来ました。
中型車両なんか・・・という先入観で見てしまいがちですが、NWJC独自の丁寧なメンテナンスによりベストコンディションに整えられた最新のCB400SB Revoを実際に乗ることによって、過去のCB400シリーズとは全く異なるパワー感などを実感することが出来ます。自分から積極的に操りながら走らせる楽しさがあり、大型バイクと一緒にツーリングに出掛けてもとにかく必死に後ろについて行くだけで、帰ってきたらヘトヘトに疲れてしまう事も無いのが凄い所だと思います。
先入観を持たず、自分たちが扱うバイクを正しく理解することの大切さを何時も社長から言われていましたが、CB400SB Revoを知ることにより、その大切さを実感しました。
日本での免許制度は400ccで分けられているのでCB400SBは中免バイクという見方をされてしまうのが残念で、もっと高く評価されても良いバイクだと思います。
「大型バイクは色々乗ってきたけれど、ちょうどいいサイズで、エンジンも充分にパワフルで、大排気量のパワーに物を言わせて直線をカッ飛ぶことより、コーナーを気持ちよく駆け抜けるバイクの醍醐味をどこでも味わえるからCB400に乗っているんだよ」という熟年ベテランライダーはカッコイイと思います。また、大柄で思い通りにならずに4輪感覚でしか楽しめないバイクより、CB400SF Revoをはじめ600や600クラスなどの中間排気量のバイクの方がライディングの醍醐味を大いに味わうことが出来ると思います。
コンパクトなCB1100について、今思うことは・・・。
CB1100は今回の様に全線ほぼ高速道路を使うツーリングはあまり得意な方だとは思いませんが、スピードが常用速度域+αであれば心地よく楽しめると思います。
試乗車のフロントフォークスプリングはノーマルだと継ぎ目やギャップ等で振られるようなことが有るのですが、現在プログレッシブタイプに変更してテスト中ですが、今回もかなり助けられフロント周りの安定感が増しています。
CB1100にCB1300の足回りが付いていたら、きっと素晴らしいバイクになるのでは?という話が出て、確かにその通りだと思いましたが、社長はホンダの技術力であれば容易い事で、どんなことでもできるのだろうが、CB1100のコンセプトからすれば不必要なのでは・・・と言われ、それがCB1100のネオクラシックの個性というか味だと思いました。
スピードが異常に出過ぎるとそれ以上は楽しくないし危険ですよと、サスペンション辺りからライダーに知らせてくれる乗り手に優しいホンダらしい一面を持ったバイクなのだと思いましたし、CB1300の足回りが付いたCB1100は、足回りだけを見れば高性能かも知れませんが、CB1100では無くなってしまうということだとも思いました。
CB1100は、リッタークラスとしては車体もかなりコンパクトで取り回しも楽で足つきも良いですから、道を選ばずどんな道でも楽しめると思いますが、高速よりも下道を常用速度域+αで、プラプラと景色を見ながらノンビリと流して走るのには最高のバイクだと思いました。
CB400SBもCB1100も日本的なバイクで、社長が何時も言っている「常用速度域+αでの楽しさ」は、日本の道路事情を知り尽くしたホンダならではの物づくりだと思います。
最近インターネットで、ホンダの研究所の方がこれからのホンダのバイクの方向性について、スペックではなくて乗って楽しい物づくりをしていこうという様なコメントをされている700ccの新型エンジンの記事を読みましたが、とても楽しみで期待感も大きく発売が待ち遠しいです。
CB1300STは、ホントはCB1300「GT」では・・・?
CB1300STはCB1100と同様に1,000Kmの慣らしを終えた時点でエンジン調整をしてコンディションは整えてあるので、今回は出発前に新型ハイスクリーンを試すための取り付けと、足回りやハンドル、左右のレバー、ペダル等の調整は車種を問わず、ほんのちょっとの事でも走りにすごく影響してくるので微妙に調整をしました。長時間乗ると手首や肩、首等が痛くなったり、足首やヒザがしびれたり痛くなってくる等の症状は、調整でかなり改善される事もあり長時間乗れば、微妙な調整の重要性が非常に良く分かります。
CB1300STに乗り換えてSAから加速しながら本線合流で余裕の加速と乗り心地の良さは、以前CB1300SBにも乗っていたので分かっていたつもりでしたが、乗り換え試乗ではその動力性能や足回りの良さに驚きました。発売当初からCB1300の足回りは、市販車としてはとても良い足回りを標準装備していると聞いていましたが、乗り比べてみて良く分かりました。
高速道路では荒れた路面を乗り越えた時でもしっかりとショックを吸収してくれているのが良く分かり、さらにスピードを上げても下半分の足回りが路面に吸いついて進んで行く様な感じがして、この上質でしなやかな乗り心地は一人だけで短時間乗るより、荷物をタップリと積んで何日もかけて楽しむか、タンデムで楽しまなければもったいないバイクだと実感し、週末にはキャンプかタンデムで高速を使って距離を伸ばして遠くまで行ってみたいと想うツーリングライダーにはぴったりだと思います。
エンジンをはじめ各部を丁寧にメンテナンスしてベストコンディションに仕上げたCB1300STであれば、狭い山道でかなり急なカーブが連続する様な場所でも剛性の高いフレームと低速からの太いトルクが大柄な車体を安定させて大いに楽しませてくれると思います。
併し、エンジンコンディションが悪い場合は、狭い峠道などでは大柄な車体とハイパワーが仇なって、乗り辛くライダーを苦しめますから要注意です。
CB1300STは、CB1300SBにパニアケースが付いてハンドルがUPハンドルになっているだけではなく、タンデムや積載を考えての足回りとフレームで、エンジンは発電系などすべてが新設計で、SB・・・スーパーボルドールを凌ぐST・・・スーパーツーリング或いは、GT・・・グランドツーリングでは・・・と思いました。
日本の市街地はゴーストップが多く、気候的には高温多湿な使用環境では、一部の外車等に比べて耐久性や信頼性も高く、ツーリング途中で予測のつかない電気系マイナートラブルで、せっかくのツーリングが台無しになってしまう余計な心配をしなくていいし、ランニングコストを低く抑えることが出来るのも二重マル、花マルです。
比較ツーリングの成果は如何に・・・。
色々と書きましたが、今回のツーリングは全てホンダのバイクで、HONDAのバイクの素性の良さと品質の高さを量産の工業製品から、ライダーの目線とメカニックの感性が融合して、NWJC独自に蓄積したノウハウをフィードバックして、ベストコンディションでツーリングを心地よく楽しめるバイクに仕上がっていることを再確認できました。
エンジンコンディションの重要性は言うに及ばず、足回りの調整やハンドル位置やペダルの高さ等、細かな調整は、バイク其々の特徴、魅力に、楽しみ方の違い等を存分に発揮させて、新たな魅力や楽しみ方をしっかりと肌で感じて再確認できた比較試乗ツーリングは、満足感、充実感で満たされました。
亦、中型車両のCB400SBとの比較によりCB1100、CB1300STの意外な面や魅力を沢山見つけることが出来たのは比較試乗ツーリングならではの事だと思います。
今回のツーリングを振り返ってみますと、やはりベストコンディションに仕上げたバイクを駆って楽しむ秋のツーリングは、収穫率、達成感、満足感150%☆3つの最高に中身の濃いツーリングとなりました。
NWJC 細川ヒロアキ
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