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メンバーコラム

バイクは健康療具

2016-08-05

東北、十和田湖ツーリング

ゴールドウイングからカブ110 NWJCコンプリートに変更

高田さんが毎年恒例にしておられる東北ツーリングに、今年もゴールドウイングで参加する予定だった。しかし、直前に高田さんが体調を崩されてゴールドウイングでは行けなくなってしまった。

長い付き合いの中で、高田さんの医者嫌いは筋金入りだと言うことを知っているので、医者通いをせずに体調を整える事を考えた。十和田湖には用事があったので、体調が芳しくなければ、乗用車で行く事も考えた。

そんな考えを巡らせている内に、大型バイクでは辛くても、カブ110 NWJCコンプリートなら行けるかも知れない。ふと、そう思った。

→バイク屋の備忘録『カブ110NWJCコンプリートで東北ツーリング』

トンネル

普通なら、大型バイクに乗れない様な体調の時に、カブに乗って長距離ツーリングに出かけるなんて、馬鹿げていると思われるだろう。しかも、高速道路を走れるゴールドウイングやスクランブラーNWJC 2014仕様で走るのと同様の日程で、となると正気の沙汰ではないと思われるかもしれない。

確かに、通常のカブ110やカブ110 Proやクロスカブであったなら、無謀だと思う。

しかし、カブ・コンプリートは、ノーマル・カブシリーズとは全く別の乗り物へと深化して、大型バイクほど身体に負担をかけずに、長距離を走り続けることが可能だ。

更に、Express仕様なら、シートスタビライザーやアンダーガードの効果で、車体の剛性や乗りやすさが更に向上している。身体全体の筋肉のバランスが崩れていることが体調不良の原因ならば、そして、ある程度まで体調不良が改善傾向にあるならば、癖のないと言うかとてもスムーズな高田さんのライディングならば、カブ・コンプリートを操る事でリハビリの効果が期待出来るかも知れない。

砂浜

決して万人向けではないことではあるが、そのことを話すと、高田さんもそれを試してみよう、と思われた様子なので、急遽カブ・コンプリートで出かける事になった。

その話しをすると、新型アフリカツインでの東北ツーリングに参加を希望しておられたバイク屋の小藤さんも、カブ・コンプリートの実力を少しは知っておられるので、泣く泣くではあるがカブ・コンプリートでの参加を承諾されたようだった。

国道341号

岐阜から十和田湖へ。一般道のみで往復1,800キロ以上の距離を3台のカブ・コンプリートが、其々のテーマを持ってツーリング体験する事になった。

長距離を楽しむ(長く乗る)

小雨の降る中での出発であったが、NWJCオリジナルスクリーンの効果で困る事は無い。荷物を積んでいても、1月のしまなみ海道ツーリングと同様、長距離を心地良く走り続けることが出来る、安心感がある。

玉川温泉エリア 玉川温泉エリア2

体調の悪い高田さんも、普段はほとんど無休憩で2~3時間以上走り続けられるが、普段より休憩をとることで、体調の悪化も見られず、走り続けておられた。姿勢の変化も目立たず、カブ・コンプリート・エクスプレス仕様は、リハビリ療具として機能しているようだ。

長距離を心地良く走り続けるだけに留まらない、カブ・コンプリート・エクスプレス仕様の実力は凄いと思う。

メンテナンス不足が浮き彫りに

途中、長い上り坂で、高田さんのカブからじわりじわりと離れて行くのが少し気になっていた。高田さんは体調が悪いはずなのに。なぜ?荷物の重量差と体重差を合わせれば、15kgくらい私の方が重いというハンディキャップ?はあるけれど、それを差し引いても、力不足があるようだ。

樹海ロード

それでも、走行距離が少なくバイク自体に当たりがついていない小藤さんのカブ・コンプリートと比べると、力強さがあるようだ。平地になると特に問題は無く、心地良く走っている感じがする。

今回は、出発前にNWJCでチェックを受けなかったが、自己流で各部のチェックを済ませて、自分なりに気分良く出発したので、あまり深く考えず、そのまま走り続けた。

ところが、3日目になると、走行距離が伸びてきた小藤さんのカブ・コンプリートが、徐々に上り坂で近づいて来るようになった。EPLのNWJCオリジナル カブ専用オイルの効果もあって、長距離を走り続けることで機械的に当たりがついてきたらしい。

その様子をバックミラー越しに見ていた高田さんは、私の車両のマフラーのテールピースを見ながら、「調子が良くないね。でも、エアクリーナーかプラグをチェックしてみれば治るよ。」とおっしゃった。良く見ると確かに排気口付近の色に違いがある。

マフラー

そう言えば、私のカブのプラグは、プラグが欠品していた時に高田さんの中古プラグのスペアを借りて装着し、そのまま使い続けていたのだった・・・。後日、NWJC南店でプラグをチェックしたところ、電極が磨耗して新品に比べるとギャップがとても広かった。プラグを新品に交換すると、走りに力強さが蘇った。

私のような素人の「サンデーメカニック」では、しっかり各部をチェックしたつもりでも、見落としてしまうことは沢山あるけど、高田さんは調子の悪さを見抜き、その診断に数秒しか掛らなかった。

過信せずに、キチンとプロの眼でチェックを受けてから出発したなら、もっと快適なツーリングを楽しむ事が出来たのに。経年劣化するのは分かっていたのだけれど、オイルやチェーンを替えたばかりで調子が良くなったと思い込んでしまい、プラグやエアクリーナーといった、車検の時には替える事が多いパーツに、眼が行かなかったのが悔やまれる。

線路

私のカブ・コンプリートは本調子ではない状態で、無難に長距離を走り切ったけれど、バイクと永く付き合うということを考えると、拙かったと思う。

永く乗り続ける

最終日は、柏崎から岐阜まで一般道約600kmを半日以上カブに乗り続けた。梅雨明け間近の季節だったから、雨に降られたり、夏らしく太陽が照りつけられたりもした。

陽炎

長時間、カブに乗り続けられるのは、高田さん自身が、速さより心地良さで走り続けることを楽しめるように実体験に基づいて深化させたカブ・コンプリートならではである。

経年劣化は当たり前のことだから、一般的にはバイクは永く乗れないものだという思い込みがあるように思う。バイクに対しては、各部が消耗や劣化して異音が出始めて、故障して動かなくなったら、最低限の動く状態をキープし、故障が増えたら乗り換えるというような、変な常識があるように思う。

使い込んだ上で新車の時より調子が良い車両に乗る、と言う考えは、一般的ではないらしい。だから、車検を受ける時に、お金をかけずに最低限のチェックだけを希望するライダーも多いようだ。

その中でも、カブは丈夫なバイクだという常識はあるのだが、丈夫だからメンテナンスを怠っても、他のバイクよりも長持ちする、というレベルの考え方が一般的であるように思う。

十和田湖畔

バイクは機械だから、経年劣化する事は避けられない。しかし、日常のメンテナンスや、バイク乗りとして経験豊富でライテクには拘らないメカニックに診てもらうことによって、良いコンディションを維持出来る。

深化と熟成

NWJCでメンテナンスを受けた車両は、新車の状態よりも心地良く走ることが出来る。メンテナンスを受ける事は、永くバイクに乗る入り口であったり、休憩ポイントであったりするのだと思う。

一度良いメンテナンスを受けると、長く走ることは出来るようになるけれど、怠ると必ず調子を崩す。

永く乗って楽しむには、定期的なメンテナンスにより、良い状態を維持することが欠かせない。

大湯環状列石

最近NWJC南店では、トレッキングごっこでも随分お世話になっているSL230やXR230に特別の愛着を持って永く乗り続けている、いつものメンバーのために、経年劣化したSL230やXR230を蘇らせて、それを更に熟成させるメンテナンスが実施された。

いつものメンバーも、SL230やXR230が別物へと深化していく過程を目の当たりにして、永くバイクを楽しむには、実体験を積み重ねた熟成させるメンテナンスノウハウが有ることを実感したようだ。

NWJCの試乗車は、長期に渡り、高田さんの実体験を基に良いメンテナンス+αを繰り返している内に、経年劣化を乗り越えて、熟成の過程に入っているように思う。自分のバイクの調子が分からなくなった時に、試乗車と比べさせてもらうと、自分の車両の状態が良く分かる。

国道41号

もちろん、調子の良し悪しを判断するには、ライダーとしての感性を磨く事も必要だ。トレッキングごっこで、バイクを楽しむ為に必要な感性を養うようになると、バイクの変化を感じ取れるようになってくる。トレッキングごっこを繰り返していると、知らない間にライダーとして熟成されて行く感じがする。

大型バイクでは感じ取り難い変化を、小排気量で非力なカブ・コンプリートは感じ取り易く、メンテナンスの重要性を実体験し易いと言う性格も持っている。そう言う点でライダーの熟成にも一役買っていると思うから、私にとってはとても良い教材にもなっている。

コーヒー

カブ110 NWJCコンプリートならビギナーからベテランまで、長く永く楽しみ続ける事が出来る、素敵なバイクだと、カブやゴールドウイングなどを楽しんでいる一人のライダーとして実感している。

2016-08-05
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