メンバーコラム
バイクは健康療具
2014-06-23
ゴールドウイングを愉しむ その1
ゴールドウイングで安曇野へ
4月の天気の良い土曜日、高田さんが安曇野に在住で、R100GS-PDを楽しんでいらっしゃるバイク仲間の安曇野のパンダさんに誘われ、そのツーリングにゴールドウイング(以下GL)で参加させて頂いた。
初めはBMW OHVのR100RSで行く予定だったけど、GLのエンジンコンディションを整えて、面白さが増した栗原さんと、25年来のリターンライダーでGLを持て余し気味の羽賀さんを誘って、私も同じGLを走らせることにした。
ゴールドウイング3台で走って思うこと
GLに乗る、栗原さんと羽賀さんの後ろ姿を見ながら、GLに乗り始めてからの2年間を振り返ってみた。
雑誌などのインプレッションによるとGLは低重心でワインディングも走り易いと書かれている言葉通り、見た目とは裏腹に、ワインディングをヒラヒラと走って楽しめるバイクなんだけど、実際には新車の状態のまんまでは、一般道のワインディングを楽しもうと思っても、全く楽しめなかった。
と言うのは、私の場合、GLが新車時のコンディションでは、正直言って市街地の一般道を走るのが怖くて億劫に思っていたからだ。400kgを超える車重は、交差点の右左折の度に気を遣い、車輌の動きを安定させる為に半クラッチを多用し、とても疲れるなあとも思っていた。だから慣らし運転の時は、ゴーストップのある一般道を走ることより高速道を多用したり、交通量の少ない国道をある程度のスピードを保つようにして走ったように思う。
低速・低回転でゴールドウイングを安定させるには
ツーリング先で、GLが交差点で右左折発進時に、少し回転を上げてバイクまかせに走って行く姿を眼にすることがあるけど、実は私にも経験がある。交差点で400kg超の車体がグラッと内側に切れ込んでくるのを安定させられないから「おっと!転んでしまう!」と思って、ガバッとアクセルを開けて自動車学校で習った通りの半クラッチで安定させようとしてしまうのだ。
カブ110やXR230のような軽量級の車輌であれば、低速時に不安定になっても、ハンドルを抉ったりして力ずくで誤魔化して安定させることが可能だけど、GLの400kgを超える車重になると、力ずくでは全く歯が立たないから、無意識に安定させようとしてアクセルと半クラッチで対応することになってしまうのだ。
私もそうだったけど、GLを優雅に走らせたいけど如何し難くて…と言う人は多いと思う。しかし、それは如何し難いことではなくて対処法は在るが、それを知っている人は意外と少ないようだ。
私が体験した対処法
GLは1800ccあるからトルクがあると思われがちだけど、新車状態のままのGLは、アクセルを開け始めた低速・極低回転では力強さは無く、400kgを超える重量を低速時に安定させるのには、回転を上げて半クラッチを多用して調節するものだと思っていた。
しかし、1,000kmほど走らせてサスやエンジンのあたりが出てくると、ガッチリとした感じのサスも少し軟らかさを感じられるようになって来る。そこで、エンジンコンディションを整えると、GLは、アクセルを開け始めた低速時の低回転から「さすが1800ccだ!」と思わせるようなトルクが発生して、サスの動きも連動して安定感のある走りが生まれてくる。
これは私の経験だが、私自身がそのことに気付いていたわけではなかった。GLを1500ccから1800ccまで、ずっと乗ってこられた高田さんの的確なアドバイスがあればこそだった。さらに一般の方には余りお薦め出来ない荒療治とも言える方法で、対処法を身に着けたが、それについては機会があれば書こうと思う。
ゴールドウイング1800cc本来の実力
私は高田さんから、不用意にアクセルをあけて半クラッチを当てながら走らせるのは、GL本来の乗り方ではないこと、巨大で重いはずのGLは優雅に走らせることが出来る車輌なんだと言うことを教わった。でもそれは、的確なアドバイスが無ければ、大きく重いから、新車だからとか、1800ccだからという先入観からか、なかなか理解されないようだ。
GLは、エンジン調整前は半クラッチを多用して、出来ることなら通りたくないと思った峠道の登りであっても、OD(5速)に入った状態(1200回転40km/h)で半クラッチを使わなくてもエンストする事は無く、ドゥルルルル…と静かな低音を響かせながら安定感タップリに登って行けるようになるのだ。
エンジン調整の大切さを分かって欲しいけど…
今回一緒にツーリングした栗原さんは、NWJC北店のH.H.さんに「GLはエンジン調整をすれば扱い易い。」という受け売りに近い話は聞いていたらしいけど、なかなかエンジン調整をしてもらえず、GLを楽しもうという気持ちが萎えて、乗り続けるか乗り変えるか…思案していたとのことだった。
その話しを聞いた高田さんは激怒して「すぐ対応しろ!!」と、急遽南店で明さんが対応してエンジンコンディションが整えられた。
栗原さんもエンジン調整を受けた後は、低速・低回転で力強く走れるようになり、市街地での扱い易さも向上し、GLが一回り小さく感じられるようになったと、とても満足されていた。
大排気量のGLを楽しむ為には、エンジンコンディションを調えることが一番大切なことだと思う。GLのようなバイクになれば特にその点に気を使ってもらいたいと思うけど、売る事はするのに車輌に乗るという実体験が無いバイク屋さんや店員さんには、この有難みと言うかこの大切さが分らないから、「こんなもんですョ…。」という対応となるようだ。
楽しみ方は十人十色だけど
バイクの楽しみ方は十人十色で、GLの楽しみ方も十人十色だと思うけど、辛い思いをして調子の悪い車輌を乗りこなそうとするのは、如何なものかと思ったりする。
私の場合は、200万円以上する高価な乗り物を買ったわけだから、GLにいろんな価値を見出したいと思う。大きくて重くて乗り難いのがGLで、そういう車輌に乗っている俺って凄いぜ!と言うのは、何か勿体無いと言うか、何か欠けていると言うか、そんな感じがする。
少しでも心地良く乗れる車輌であって欲しいし、心地良く走れるようになりたいと思う。
楽しみ方は十人十色だから、私の楽しみ方が万人受けするわけではないと思う。今回のツーリングでは、私なりのGLの楽しみ方の一部、GLはこういう使い方が出来るバイクなんですよ、ということを、自分なりに栗原さんや羽賀さんに伝えたいと思って一緒に走ってみたけど、二人の眼にはどんな風に映ったのだろうか。
ゴールドウイング適齢期は始まったばかり
今回のツーリングで、私自身は、GLの心地良さを味わうことが出来たので、とても良い経験になった。今年は例年以上にGLを楽しむぞ!というわけで、今度は南信州の方へGLに乗って出かけてみたいなと思ったりしている。
私の勤務している病院の近くのお寺の御住職がGLやボンネビルからカブ110 NWJCコンプリートまで幅広く愉しんでおられる。その方は、南信州を庭のように走り回っておられ、去年の秋にはカブ110 NWJCコンプリートに乗って南アルプスの下栗村を案内して頂いた。
今年は是非、GLでも一緒に走りたいなと思う。
高田さんのコダワリ病により、スクランブラーは2007年式がNWJC 2014仕様に深化していて、私のスクランブラーもその恩恵を受け、とても心地良くなった。また、GLについてもGL1500の頃からバイク乗りであるバイク屋として、GoldWingには色々なトライをされ独自のノウハウも豊富なので、いろいろなアドバイスや提案をして頂けるので、益々心地良く走り続けられるバイクになるだろう。とても楽しみだ。
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