メンバーコラム
バイクは健康療具
2013-10-21
ゴールドウイング1800で出雲へ
毎年、9月の後半の連休は北海道へ行く予定を入れて(休暇の申請をして)いるんだけど、今年は異常気象による災害が多く、北海道も例外ではないらしいので、長期休暇を利用しての長期ツーリングは取りやめにした。
いつものメンバーのKさんも北海道へ行くのを楽しみにしていたようだが、前回に引き続き仕事が忙しく、とてもツーリングを楽しむ時間を捻出できない様子であった。一日も早く、仕事による呪縛?から逃れられることを祈りつつ、今回もNakaさんと2人でツーリング計画を立てることにした。
今年の9月の2回の連休は、連休1回目はスクランブラーで出雲方面へ出かけた。「そろそろゴールドウイングで長距離ツーリングを楽しみたくなった」といつものメンバーに話したところ、「ほぼ同じ道を辿ってもう一度出雲方面へ出かけてスクランブラーと比較してみると其々の特徴が良く分かるんじゃないか」と高田さんから提案された。
また同じ道を走るの?と思ったが、話を聞くとそれにはとても意味があると分かった。以前走った長距離のコースを短期間の内に違うバイクで楽しむことや、同じバイクでも仕様を変えて楽しむことは、なかなか経験できることではないようだ。やろうと思えば出来るけど、限られたロングツーリングの機会を有効に使おうと考えると、ついつい前回とは違ったコースを走りたいと思ってしまうから…。
高田さんは、幾つもお決まりのコ-スがあって、そこを何度も走ることで自分自身とバイクのことが、良く分かるようになっていくらしい。そう考えると、とても贅沢なバイクの楽しみ方だと思ったので、Nakaさんと一緒に再び出雲方面に出発した。(Nakaさんは、さらにバージョンアップしたスクランブラーを同じルートで味わいたいらしい)
今回は、ツーリング前に、ゴールドウイングを楽しむための提案をして頂いた。
ゴールドウイングはスーパーグランドツアラーだから…、と以前にコラムで書いたけど、高田さんの奨めで、スクランブラーに乗る大柄なKさんにタンデムで後ろに乗ってもらい、高田さんとNakaさんに見守られつつ日帰りの一般道ワインディングツーリングに出かけたのだ。
私はゴールドウイングの「さすがはホンダのフラッグシップ」と思わせる装備や日本の交通事情を考えた造り込みなど、工業製品としての完成度はとても高くて凄いと感じていた。しかし、ゴールドウイングを1500から1800まで、ライダーの目線とメカニックの感性をもって乗り続けた高田さんの話によると、ゴールドウイングもNC700Xで澤田くんが体験しているのと同様に、サスペンションを馴染ませる必要があるとのことだった。
その提案は、一体今回のツーリングでどんな効果を私にもたらしてくれるのだろう。
まずは高速道路を距離と時間を稼ぎだすために走った。タンデムによる高速走行によりサスペンションの動きが良くなっているからだろうか、なんとなく乗り心地が良くなっている気がする。
一般道では狭い峠道も走る事になったが、巨大な車体では躊躇するような道だった。併し、エンジンコンディションを整えたゴールドウイングは、アクセル操作により極低速でも車体が安定する事を知る事ができた。
巨大であるという意識は平常心を失いそうになるが、基本はトレッキングごっこと何ら変わらない操作でクリアできることを再確認できたし、極低速でも九十九折れの峠道をタンデムで悠遊と走る事が出来た。
一週間前にスクランブラーで走ったワインディングをゴールドウイングで走ると、車両の向きが変わりやすくて、少しスムーズに(少し優雅に?)走れるようになった気もする。
何となく良い感じがして、ゴールドウイングを操作していると実感する回数が増したと言えば良いのか、ゴールドウイングと会話する中身が濃くなったと言えば良いのか…。とにかく楽しい。ゴールドウイングとの心理的な距離が縮まった感じがする。
その時の私とゴールドウイングとの会話は、「こんな感じで走るとどう?」「おっと、突っ込み過ぎか?」「こんな感じでは?」「あらら、違ったか。そうガリガリ言うなよ。」「今のは、チョッと、良い感じ。」「優雅な感じだったんじゃないの?」、と言うような感じだったと思う。後ろから見守ってくれているNakaさんの眼にはどんな風に映っていただろう?
初めはスクランブラーと比べて3~4倍位の大きさと重さを感じていたが、ゴールドウイングと細かい内容の会話をすることでゴールドウイングとの心理的な距離が縮まって、ゴールドウイングがスクランブラーより一回り大きい程度に感じられるようになった気がして嬉しかった。
巨大で静かに走るゴールドウイング、クラシックスタイルで心地良い鼓動感を持つスクランブラー、小排気量でも積載性が高く燃費も良く手軽なカブ110NWJCコンプリート。
それぞれに味わいが異なるのは当然だが、日本国内の一般道を速さより心地良さで走り続ける楽しさがあるという共通点を持っている。焼き魚でも煮魚でもお造りでも、魚の味わい深さが和食という共通の土台で料理されているようなものなのか?それだけでは表現が足りない気がする。
チョッと難しく考えることにする。
私がバイクに乗って味わっている感覚は、どんなものなのか?
私の中にある知識・記憶、情報と過去の感覚は、一旦入力されて脳と身体の何ケ所かに仕舞い込まれたもの。それらが無意識下(脳の情報のプール)から、少しずつ意識化される(汲み出される)感じで、現在進行形で感じ取っている感覚と混ざり合う。そこで生まれるのが現在認識している私の感覚だ。
私が40年以上生活してきた日本という風土の中で、今までに見聞きしてきた記憶。その記憶と今現在ゴールドウイングから感じ取っている感覚、そして今眼にしている風景など五官で感じ取っている感覚、全てが混ざり合って心の中に入り込んで来る。この混ざり合う段階で生じた感覚が、違和感無く私の心に受け入れられ、心地良く感じているような気がする。
ゴールドウイングに乗り、眼を吊り上げてスーパースポーツのように速さを求めて走るのではなく、心に余裕を持てるペースで走っていると、季節に応じた日本の風景(今回は稲刈りした田んぼの風景が印象的だった)が私の身体の中に飛び込んでくる。余裕が無いと、この風景からの情報量が少なくなって楽しさは半減して、身体や心の何所かに疲れが溜ってしまうのかな?
そして、車輌の反応と私の五官が感じ取っているものが、頭と身体で混ざり合い、その出来上がった感覚が、心地良く感じられる。この心地良さでずっと走り続けていたい。そんな気にさせてくれているようだ。
振り返ると、NWJCコダワリのメンテナンス前は、エンジンの回転を上げつつ半クラッチを使わないと安定しないところがあったから、巨大なバイクを動かすという優越感と言うか一時的な快感はあったけど、何処かに違和感があって、頭と身体を変に疲れさせてしまって心地良さが持続しなかったのだろう。
ゴールドウイングは巨大だけれど、NWJC拘りのメンテナンスと高田さんのアドバイスとがあって、トレッキングごっこで培った丁寧なアクセルワークで、優雅な走りを求めて、ゴールドウイングと積極的に会話をして、徐々に違和感が無くなり、走らせると大らかさとか物静かさが、この心地よい雰囲気を醸し出しているのかな?
良く分からないが、そういう全てが混ざり合って、ゴールドウイング1800は最新型のツアラーだけど、クラシックスタイルのスクランブラーとは少し違った形で日本の風景に溶け込み、さらに日本人である私の心に良い感じで溶け込むから、速さより心地良さで走る続けることが楽しいのかな?
いや、それでは一味もふた味も足りていない。スクランブラーもカブ110 NWJCコンプリートも、高田さんの程好い和の味付けが効いているからこそ、速さより心地良さで走り続けることが出来て楽しいのだ。
ツーリングから帰って、高田さんに、ワインディングが楽しくなって、ペースが上がると弾んでガリガリとステップを擦って…。サスペンションを調節したら、最初は良いと思ったけど今度はバンク角が大きくなって、ステップを擦って…。というようなことを話したところ、「それ、良くなる方法があるよ。」と返事があった。
ゴールドウイングとの会話を楽しんで来て、高田さんと会話をしてゴールドウイングとさらに楽しい会話が出来るようになる…。この繰り返しで、ゴールドウイングとの付き合いがより深くより永くなって行く。スクランブラーもそうだし、カブ110 NWJCコンプリートもそうだ。今までを振り返って、こういうのが素敵なバイクライフと言うんじゃないかな、と思ったりした。
ゴールドウイングは近々NWJC拘りのメンテナンス?を受ける予定だ。終わったら、次は何所へ行こうかな?
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