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メンバーコラム

バイクは健康療具

2013-10-16

スクランブラーを楽しみながら出雲方面へ

出雲大社で今年5月に60年に1度の大遷宮が執り行われたので、今年中に参拝したいと思っていた。そこで、今回は後醍醐天皇が隠岐島へ配流された時に通られた道を辿って出雲大社へ行くことにした。

今回は、いつものメンバーは仕事が忙しい人が多かった。また高田さんはCB1100に乗って山口県に仕事…?で出かけた。そこでNakaさんとスクランブラー2台で三瓶山へキャンプツーリングに出かけた。

キャンプはあいにくの雨だったが、キャンプ場の管理人さんの御好意により、雨を気にせずに素敵な時間を過ごすことが出来た。2泊3日の初日のキャンプにとって、大変有難い配慮だった。ありがとうございました。

三瓶山

道中については、Nakaさんがブログで紹介しているので、そちらも御参照下さい。

簡易舗装の県道

Nakaさんのコース設定により、高速道路から苔の生した簡易舗装の県道まで、実にバラエティーに富んだ道をスクランブラーで楽しむことが出来た。このコースは、カブ110 NWJCコンプリートに乗ってしまなみ海道を渡ったコースと途中で交差した。

その時、スクランブラーで高速道路を使って時間を節約した分を、太平記にまつわる史跡めぐりに充てて、限られた時間を有効に使ってツーリングしているような感じがした。ふと、いつかは時間を気にせずカブ110 NWJCコンプリートで走ってみたいな。いや、その前にゴールドウイングで、体力のあるGL適齢期の間にこういう旅を楽しみたいな。と思ったりした。

後醍醐天皇の休石

さて、今回も出発前に高田さんから「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」をより深く味わう為の新しい提案を受けた。なにやらスクランブラーが軽快に力強くなるとか…。より一層美味なスクランブラーに変身させて頂けるらしい。内容はいつもの如く秘密であるが…。

私を含めいつものメンバーは、高田さんの提案には絶大な信頼を寄せている。早速、「日帰り手術」をお願いし、2泊3日のキャンプツーリングの出発準備を整えた。

思い返すと、この6年の間に、スクランブラーは「速さより心地良さで走り続ける」ことが楽しめるように、高田さんのコダワリ病により進化し続けている。

過去の自分とスクランブラーを振り返ってみると、ノーマル状態の(新車時の)スクランブラーはとんでもなく乗りにくい車両だったと思う。チョイ乗りではけっこう楽しめるバイクであったとは思うが、長距離ツーリングとなると、楽しむと言うよりは、かなり辛いことだったと記憶している。

特にハンドルポジションは悪く、思うようには操作できず、高速道路と一般道を合わせて300km程度走るだけで腕も肩も脚も変に疲れてしまっていた。ハンドルは一般の市販品も試したけれど、しっくりくるものは無かった。高田さんのコダワリ病により、いつものメンバーの為に特別に作ったNWJCオリジナルのスクランブラー用ハンドルは、とてもポジションが良く、それに交換した時には感動・感謝した。

スクランブラー用ハンドルをはじめ、ステップ、リアキャリアWPサスペンション等々、NWJCオリジナルのパーツは高田さんのコダワリ病から創り出されている。パーツだけではなく、メンテナンスや外観上は分からないようなモディファイもそうである。

荷物満載

そもそも、スクランブラーは高田さん自身がお気に入りの車両であるらしく、時々、NWJC南店へ遊びに行っても、高田さんとスクランブラーの姿が見られないことがある。何かを思いつかれたらしく、試乗に出かけられているとのことである。

後日お店に行くと、高田さんに「チョッとウチのスクランブラーに乗ってみやあ。」と話しかけられる。そして試乗させてもらうと、自分のスクランブラーとは何かが違って凄く良い感じがする。

何所がどう変わっているのか?は二の次で、乗りやすい…。心地良い…。楽しい…。

私もスクランブラーに乗っているいつものメンバーも、迷う事無く言ってしまう。「これ、良いですね。僕のスクランブラーは何曜日に、店に持って来たら良いですか?」と。

私やいつものメンバーは、そういう繰り返しで、高田さんがスクランブラーの「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」を追究し研鑽する姿勢を通じて、スクランブラーがどんどん味わい深くなり、スクランブラーという車輌に乗り続ける楽しさを教わってきた。

滝1

「○○はこういうものだ」から「○○ってこういうものだったのか」へ。

今回のツーリングに出かけるまでの私のスクランブラーはアクセルを開けてからの動きはどこか余裕があるのんびりした感じ(鈍くて力が無いとも言える)で、「270°クランク」で「キャブレター仕様」だから、「こういうものだ」と思っていた…。

手術後のスクランブラーは、いつも通りにアクセルを開けると、自分の思い(過去の記憶)よりも早めに、グイッと加速する。あれれれれ?何じゃこりゃ?

鼓動感を感じつつ、ゆっくりまったり加速して…というのとは違う。鼓動感はあるけれど、力強く加速する感じがする。

以前も、NWJC式エンジン調整術を受けた時、下からグイグイくる良い感じ、キャブレター仕様なんだけど、インジェクション仕様に遅れを取らずに走れる感じがして「インジェクション仕様とキャブ仕様との違いとはこういうものだ。」という思い込みが刷新されたのが思い出される。

加速だけではなく、ワインディングでのスクランブラーの動きも良い感じになって、自分のライディングの腕が上がってバイクとの会話がさらに弾んでいるような感じがすると言うか、微妙なアクセルワークにきちんと応えてくれるような感じがして楽しい。

高田さんの話によると、エンジン調整、足回り、駆動系のトータルバランスが高くなったことにより、しっかりとトラクションがかかるようになったのだ、ということであった。

そうだったのか。これがトラクションがかかった状態なのか。とても勉強になった。実体験するととても良く分かって楽しい。

私の中の「270°クランクはこういうものだ」「キャブレター仕様はこういうものだ」という先入観から開放され「こういうものだ」という決めつけが無くなり、しっかりトラクションがかかるようになった(トラクションがかかるのが分かりやすくなった?)スクランブラーはこんな感じなのかと実体験出来た。

今まで、こういう経験を繰り返して来たことで、スクランブラーと自分との心理的な距離が短く(スクランブラーがどんどん身近に)感じられるようになってきた。

滝2

私とスクランブラーとの会話は、こんな感じでやり取りできるようになったんだけど、その基になっているのは、高田さんとのコミュニケーションなんだと思う。

高田さんの拘りは、一般には公開されていないことが沢山あり、備忘録に書かれている内容以上に隠し味が効いていると言えば良いんだろうか?高田さんのスクランブラーは、私のスクランブラーと比べると、いつも一味も二味も味わい深く、拘りを感じる。

私のスクランブラーは、高田さんからの提案があるから、「速さより心地良さで走り続ける」ことを楽しめる仕様に進化し続けている。高田さんは、ツーリング仲間として、いつものメンバーには同様の進化した車両に乗って、一緒に楽しみたいと言われる。その進化についても感想を聞きたいとも言われる。

CB1100とスクランブラー

高田さんからこんな話を聞いた。

「日本は大陸じゃないんだから、日本の道を楽しむには、スクランブラーのようなクラッシックな雰囲気のバイクが丁度良いんだ。」

「最新車両に搭載されている電子部品に邪魔されず、車両のコンディションや変化を体感しやすい。そういうところもスクランブラーの魅力だ。」

「スクランブラーには、カタログ・データ(スペック)からでは決して読み取ることの出来ない、味わい深さがある。」

「料理もバイクも、味の好みは十人十色だ。拘りの味も、相手に合わせて味を変化させるべきだ。」

「こういう拘りは一般公開するものではなく、いちライダーとして対面して会話をして、相手のこと(バイクをどんな風に楽しみたいのか等)を知った上で、提供されるべきものだ。」

精神科医として患者さんと接することを思うと、私はその考え方に同感だ。初めての患者さんに対して、電話やメールのみで診断名をつけたり治療の提案をしたりすることは、超能力者か魔法使いでもない限り不可能だと思う。

対面しない相手のからの「音と文字の情報のみ」だと相手のほんの一部分しか分からないから、どんな薬を出したら良いのやら、正直言って判らない。

目線や表情や行動全てがその人の心の状態を表している。逆に文字としての言葉が伝わらない外国で、日本語を使って身振り手振りを駆使すれば、相手に気持ちを伝えることも可能だったりする。

対面しての会話が重要で、とても大切だと思う。一方通行の情報のみのやり取りは、便利だけど、何となく無機質と言うか、何か足りないものがあると思う。

味わい深いスクランブラー

ツーリング先のいろいろな地域で話しかけられる時に「スクランブラーの実車は始めて見ました。」と言われる事が多い。トライアンフスクランブラーは一般的にはマイナーな車両であるらしい。

しかし、私を含めいつものメンバーのスクランブラーユーザーは、熟成されたスクランブラーの味わい深さを良く知っているから、この車両がとても魅力的だと実感している。

今日までスクランブラーと過ごしてきた過程を振り返ると、実に楽しく、バイクについて深く知ることができているなあと思う。

Nakaさんをはじめ、いつものメンバーとツーリングに出かけて、スクランブラーの「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」を共有しながら個々のレベルで楽しみ、キャンプの夜にスクランブラーのことを語り合うのは、至福の時ではないかと思ったりする。

季節を味わうスクランブラー

これからもツーリングに出かける度に、スクランブラーのことを深く知ることが出来る。そう思うとワクワクして、胸がときめく。四十路を過ぎたオジサンライダーの私にとって、とても幸せなことだと思う。

2013-10-16
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