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メンバーコラム

バイクは健康療具

2014-10-27

カブ110 Pro NWJCコンプリートに乗って思ったこと

異常気象

10月の連休は昨年同様に、いつものメンバーと一緒に、スクランブラーでキャンプツーリングに出かける予定だった。しかし、台風が日本列島を縦断するという情報が入り、遠くへ出かけることは断念して、急遽、カブ110 Pro NWJCコンプリート(以下カブ・コンプリート)で、能登へ出かけることになった。

カブNWJCプロトタイプ

今年は大雨や台風で被災された方々が多く、大変な思いをされていると思う。お見舞い申し上げると同時に、一日も早い復興を願っている。

ゴールドウイングとカブ110 Pro NWJCコンプリート

北海道ツーリングでゴールドウイング(以下GL)と、長時間にわたって楽しい会話をし続けて、「GLとカブ・コンプリートの性格は何処か似ているなぁ」と思ったのは何故なのか?

GLゆっくり

この2台の性格が似ていると話すと「なるほどね」と賛同してくれる人も居るけれど「どういうこと?」と言う人が多いようだ。今回は1泊2日のツーリングで、一般道を600kmカブ・コンプリートとタップリ会話することが出来た。だから、私の体験を通じて、カブ・コンプリートとGLの性格について考えてみようと思う。

悠々と走る

カブ・コンプリートの動力性能は、一般道を車の流れに乗って走っているには必要十分だ。ギア比の味付けが良いのだろう、スピードの伸びと力強さが、日本の道路事情に凄く良く合っているので、決して速くは無いが、余裕を持って走り続けて楽しむことが出来る。

軽量コンパクトであり、手軽な遠心クラッチであることも手伝って、妙な緊張感を持つことも無く、自然と視界が広がりやすく、心に余裕がある状態で走ると、とても景色が良く見える。

撮影

ブラブラと景色を楽しみながら走り、フラフラと景色の良い場所を見つけては停まって「良い景色を見つけたから写真撮影をしよう。」というような気分になる。

GLに乗って北海道の一般道をブラブラした時にも、心に余裕があるから、視界が広がって景色の良い場所に巨大なGLを停めることは苦も無く、写真撮影を繰り返していた。あの感覚ととてもよく似ている。

撮影2

日本の交通事情の下で、長距離を楽しんで旅をするなら、この感覚はとても重要だと思う。しかし、GLでもカブ・コンプリートでも、新車状態からナラシを終えて、NWJC独自の拘りメンテナンスによりコンディションが整うまでは、チョット立ち止まって写真撮影という余裕を持てなかったように思う。

スポーティーに走る

カブ・コンプリートの場合は、110ccという小排気量をフルに使って走らせている。上りや下りを繰り返す道では、会話が噛合わず丁寧さを欠いてシフトチェンジのタイミングをチョッと失敗すると、上りでは失速して気持ち良く登れず、下りでもスピードに巧く乗せきれなくなってしまう。

登坂車線

こういう時、アクセルを大きく開けつつ操作する感覚は、大排気量のバイクとは一味違い、私のわがままを命令調で、押し付けることができる魅力もある。 

巨大なGLの場合も、スポーティーに走るときは丁寧な操作が必要だ。アクセルを然程開けなくても余裕で坂道を登っていけるのだが、九十九折りの道などでは、カブ同様に会話が噛合わず丁寧さを欠くと、巨大なGLは向きが変わらず、反対車線のほうへ行ってしまうから過度にバンクさせて走ることになるのだ。

ワインディング1

私のわがままは、一切受け入れられないのだが、GLのわがままを受け入れる事も出来ないから、事前の会話がとても重要となってくるのだ。

私がしているカブ・コンプリートやGLについての話は、新車の状態のカブ110 Proやゴールドウイング1800の話ではないので注意してほしいと思う。

カブビューン01

新車時からNWJC独自の拘りメンテナンスを受けている私のGLは、極低回転からの操作にも力強く、レスポンス良く反応するから、GLと会話し易くなっている。だから、スポーティーな走りも楽しいのだ。

スポーティーに走る時は、それぞれに会話内容は違うけれど、会話が充実して丁寧な操作ができれば、バイクとの会話がおおいに弾み、心地良く走り続ける楽しい時間を過ごすことが出来るのだ。

小排気量を操る楽しさ

一般道を常用速度+αでビューンと走っていると、明らかに交通の流れを滞らせている車に遭遇する。

私が何時ものようにシフトダウンして追い越しをかけるが、先行する高田さんとの車間は何故だか開き始めて、私だけ追い越しのタイミングを失うことがある。何が違うのかよく観ると、追い越す車との車速の差を巧く作りだしているようだ。

直線

大排気量のバイクだとアクセルを開けるだけで、スッと追い越せる車速になるため、普段は気にしたことが無かったが、小排気量のバイクの場合、追い越しの際には、キチンと準備が必要なのだ。

排気量によってこういう差があるとは思っていなかった。安易にシフトダウンして加速するのではなく、状況を見極めつつカブ・コンプリートと会話して、スムーズに走る。こういうところで、しっかりバイクと会話をするのも楽しい体験で、小排気量ならではの楽しみ方だと思う。

雑誌には、125cc以下の排気量のバイクは、税金も安くて、軽くて取り回しが楽で、燃費が良くて、市街地で使い勝手が良い。それだけでは、小排気量のバイクの性格については、上手く表現されていないように思う。

小排気量のバイクは、コンディションの良し悪しが、大排気量のバイクと比べて、とても分かり易い。

→Nakaさんのブログ カブ バルブクリアランス編

エンジンコンディションは、メンテナンスによって整えられると違いが判りやすいが、チェーンのコンディションの場合は、大排気量のバイクは力強く加速して判り難いが、小型バイクはいつもより加速が鈍く、チェーンのコンディションの良し悪しも知ることが出来る。フリクションが小さく、まだら延びを最小限に抑える強化チェーンに交換しての比較を体験すれば、より判り易いと思う。

ライダーである私の性格

カブ・コンプリートやGLの性格を判断するライダーである私の性格にも、少し触れようと思う。

診察室において性格を分析する際、冷静に視野を広げて客観的に関与しながら観察する、と言うことになると思うが、バイクで熱い走りを楽しむとアドレナリンやエンドルフィンがどんどん分泌されるようで、心拍数が上がって情熱的になってしまうらしく、周りから見て危ない乗り方をしてしまうことがある。

バイクが私の性格に同調するだけだと、情熱の果てには不幸な事故が待っている。BMW R1100GSに乗って走っていたころに、情熱的になり続けて、当時も私の体重は83kg超だったが、ポイッと投げ飛ばされたことがある。速さや快適さを追い求めて電子部品を満載した無機質な最近のバイクとは、たとえブランドであっても互いを尊重した会話を楽しむ事が出来ない。

電子部品を搭載して快適さを追求したグランドツアラーGLの場合は、スポーティーにも走れるので情熱的になってしまうのだが、走り続ける中で、バイクからの危険を知らせるサインのようなものが多く感じられる。

あるレベルまでは、ビューンと走り続けられるように思えるけれど、あるレベルを超えるとバイク任せでは如何ともしがたいことが察知出来て、互いを尊重した会話を楽しむ事ができるところがGLの魅力であると思う。

ワインディング2

カブ・コンプリートの場合、情熱的にアクセルをワイドオープンして走っていると、無理難題を強引に押し付ける場合もあるが、何処か労わる様な気遣いのある会話から、ハッと我に返ることが出来る。

小排気量とは云え、情熱的になり続ければ、その果てに不幸が待ち受けているから、大型バイク同様に互いを尊重した会話を楽しむ余裕を求められるのだ。

コンディションの良し悪しが判る環境に居ると、メンテナンスの重要さも五官で感じられるし、私でもできる掃除やチェーン調整など、小まめにメンテナンスをすることでバイクに愛着を持てるようになると思うが、それらはすべて実体験を通じてのことでもあるから、バイクのことを身近に感じ易い性格なのだと思う。

キチンとコンディションを整えることは不可欠

ツーリングには、人車ともにコンディションをキチンと整えて出かけることが大切で、これを抜きに心の余裕は生まれない。私は、心の余裕の無い状態でのツーリングは、疲れるだけで楽しくないと思っている。

素適なバイクライフは緩やかな放物線を描く、と高田さんは提唱されている。しかし、バイクライフの始まりをいきなり放物線の上の方だけに求める環境に居ると、こういうコンディションの違いを体験することも無く、バイクに関する知識はあっても、比較など実体験がないので、何も判らないままバイクに乗り続けることになってしまう。

長良川

私やいつものメンバーは、新車状態から心地良く愉しめる状態までの変化の過程を色々な場面で体感できる環境にいる。NWJC独自のトレッキングごっこを通じて、バイクとの会話の仕方も身に着け、ライダーのコンディションも整えて、トータルコーディネートした上で各々がテーマを持って、車両との会話を愉しみながら走っているので、其々の充実した時間があるのだと思っている。

2014-10-27
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