メンバーコラム
バイクは健康療具
2013-08-30
スクランブラーでキャンプツーリング
今年のお盆は、高田さんのCBR250Rと、スクランブラーのNakaさん、NC700Xの澤田くんと、スクランブラーに乗った私の4人でキャンプツーリングに出かけた。
それぞれ、キャンプ道具を満載にしてのツーリングだ。高田さんとNakaさんは、テントとタープの組み合わせや、アルコールバーナーを使った料理など、何時もの様にキャンプを楽しむ何かを企んでいるらしい。
Nakaさんのスクランブラーも私のスクランブラーも、「速さより心地良さで走り続けることを楽しむ」為の(荷物を満載にしても心地良く走り続けられて楽しい)仕様になっているので、道中に味わうスクランブラーの乗り味の楽しさは格別だ。
去年の3月にはゴールドウイングに乗ってCBR250Rに乗った高田さんの後に付いて走ったが、CBR250Rはゴールドウイング2台を引き連れて軽快に走っていた。今回のキャンプツーリングでは、あの時以上の重いキャンプ道具を積載しているにもかかわらず、高田さんのCBR250Rはそのことを全く感じさせない軽快な走りだ。
NC700Xの澤田くんはというと「交換したWPフロントサスペンションを自分の車両にしっかりと馴染ませるぞ!」と言わんばかりに荷物を積み込んで参加していた(澤田くんも美味しい料理を皆に振舞う為にスペシャルなキャンプ道具を準備していた)。
キャンプツーリングの楽しみ方も十人十色だが、私は現代文明から離れた少し不便な場所で、快適ではないけど心地良い時間を過ごすことが好きだ。そのためにキャンプ道具もバージョンアップしてきた。だから、私も美味しいコーヒーを淹れるためのスペシャルなセットを準備して参加した。
キャンプの翌朝、少し早起きして食事を済ませると、カブ110に乗ったキャンプ料理長の野村くんと、最近カブ110 NWJCコンプリートに乗り始めたTakeyamackさんが、キャンプ場にやって来た。早起きをして、峠道の酷道のいろんな場所で写真撮影をしながら2時間ばかりかけてブラブラと楽しみながら走ってきたそうだ。
二人とも朝から心地良い時間を過ごしたらしくニコニコ顔だったので、Nakaさんと一緒に美味しいコーヒーを淹れて、6人でしばらくの間歓談し、キャンプツーリングの4台にカブ110の2台が加わった6台で、岐阜までブラブラと帰るツーリングに出発した。
110cc(小型原付二種)のカブが2台、250cc(中型)のCBRが1台、700cc(大型)のNCが1台、900cc(大型)のスクランブラーが2台である。よく考えると、この集団の組み合わせは、昔の自分たちでは考えられない異様な組み合わせだと思う。
奇妙な組み合わせの集団だから、珍道中になるかと思われたのだが…。実際には違和感が無いように感じるし、実際に纏まって走っているし、何より楽しく思える。
一体何故なんだろう?
何故、奇妙な組み合わせで楽しめるのか?
マスツーリングはある種の集団行動だと思う。集団で行動すると個々の思惑とは別の心理状態が形成される。集団心理と言われるもので、良くも悪くも働く心理状態だが、良い方向へ働くとグループ療法という心理療法にも活用されている。
集団が良い集団である為には、メンバーがお互いを尊重すること、メンバーが集団の置かれた環境を理解すること、リーダーが上手く舵取りをすることが必要になる。
今回のメンバーは、何度も一緒にツーリングに出かけている、所謂「いつものメンバー」で、「相手のことが良くわかる」メンバーだ。
Nakaさんは、カブ110の2台をリードする形で走っていた。そのNakaさんはカブ110 NWJCコンプリート所有していて、ロングキャンプツーリングから近場のチョイ乗りツーリングまで、幅広く楽しんでいる。
だから、後ろの2台のカブ110がどういう状態にあるのかを良く理解した上で一緒に走っているのだろう。とても楽しそうだ。
一方、カブ110の2人はというと、Takeyamackさんはスラクストンを、野村くんはスクランブラーを所有していて、これまたロングツーリングからチョイ乗りツーリングまで幅広く楽しんでいる。だから、Nakaさんが、どんな感じで前を走っているのかが分かるのだ。
私のスクランブラーのバックミラーには、そういう3台の互いに尊重し合っている姿が映っていた。
私の前方では、高田さんのCBR250Rに引っ張られる感じでNC700Xの澤田くんが走っている。澤田くんは、トレッキングごっこを少し体験した後、いつものメンバーと一緒にツーリングに出かけることが多くなった。キャンプ道具を積み込んだNC700Xに乗り、高田さんのアドバイスを受けつつ、以前と比べるといい感じのペースで走れている。
それぞれ個性のある車輌だけれど、乗り手が楽しみながら纏まった集団を作り上げている感じがする。
其々に拘りのメンテナンスとセッティングが
一番非力な110ccのカブの走行性能に合わせた速度域(カブ110とカブ110 NWJCコンプリートが楽しく走れる環境)で、大排気量の3台は270°クランクの心地良い鼓動を感じながら、低速でのスムーズな操作感を楽しむことなどを、中排気量のCBR250Rはシングルエンジンの弾ける鼓動感と軽快さを楽しむことなどが出来る。
其々がNWJCのモディファイにより磨き上げられているから、バイクとの会話が弾み、いろんな環境下でバイクの面白味が味わえるのだろう。新車のまんまのノーマル状態でのカブ110とスクランブラーが一緒に走ることを想像すると、かなりのストレスでお互いに辛い思いをしそうだ。
6台の大・中・小型排気量のバイクが、其々「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」の為にNWJCの拘りのメンテナンスとセッティングを施されている、ということも忘れてはならないポイントだと思う。
そういうストレスを感じることなく、其々がバイクの面白みを味わいながら楽しい時間を過ごすことが、連帯感を向上させていたりもするのかな、と思ったりする。皆が各々の愛車と会話しながら、同じ時間を共有している。素敵なことだと思う。
ペースメーカーはムードメーカー
先頭を走る高田さんのCBR250Rの、渋滞を巧みに回避するツーリングコースや走行ペースの設定と「舵取り」が、とても素晴らしく、纏まりを生み出していることもポイントだと思う。流石である。
グループ精神療法でも、ベテランの経験と目配り心配りは、メンバーの目に見えない結束と力を生み出す。この舵取りが上手くいかないと治療環境が容易に崩れてしまうのだから。
以上のように考えてみると、なるほど、集団心理が良い方向へ働く要素が揃っていることが分かった。
見た目は奇妙だけど、中身は纏まりのある良い集団を形成していたんだな。今回も、良い集団の中でバイクを味わうことが出来た。私はとても幸せな時間を過ごした。
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