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メンバーコラム

バイクは健康療具

2014-03-04

ライダーとしての成長

ブランド品とは?

昨年の初キャンプは3月の後半だった。キャンプ道具は本格的な山岳登山用のモノではなくキャンプツーリングを楽しめるモノを学生時代から少しずつ揃えていった。テント、マット、シュラフ、ランタン、バーナー、コッヘル…。メジャーなメーカーのものからマイナーなメーカーのものまで。今年はもっと早くからキャンプを楽しもう!と、昨年末から思っていたので、2月の寒さの中でキャンプを楽しむための道具を、幾つか買い足した。

雑誌でブランド品として紹介されているモノも幾つか持っているけど、その中には使い勝手が悪かったり、耐久性が無かったりして、役に立たなかったモノもある。これはホンモノだ!なんて書いてあったりするけど、よくもまあ、こんなモノを紹介できるなあ…。編集者は、本当に使ったことが無いんじゃなかろうか…。と思う。

テント

キャンプ用品に限らず、バイクでも同じことが言えると思う。スクランブラーも雑誌やインターネットの情報によれば、特に手を加えなくても、パルス感がある力強い走りで、楽しませてくれるように書かれていたりする。
しかし、実際に乗ってみると、新車の状態のスクランブラーは、とてもじゃないけどそんなバイクではなかった。

そういう曖昧な表現に惑わされないよう、ライダー自身も成長する必要があると思う。そこで、ライダーの成長(質的な変化)について考えてみよう。

ライダーとしての成長

カブ110 NWJCコンプリートは、幼馴染のような感じがして、付き合い易い気がする。初心者ライダーの時も、いつかベテランライダーになった時も、とても楽しい時間を過ごせる相手(バイク)だと思う。一方でスクランブラーは、青年期に出会った年上の相手で、年月を掛けて親しくなった相棒のような存在だと思う。

田んぼ

私は、高田さんが提唱されている、緩やかな放物線を描くのがバイクライフの理想であると思っている。そこには、ライダーの成長も人間の成長と同様に、幼年期・思春期・青年期・壮年期みたいな段階があるんじゃないかなあと思うので、過去を振り返って考えてみることにしよう。

幼年期ライダー

私自身の幼年期ライダーの頃(ブロス400に乗り始めた学生時代)を振り返ると、「ブロスはカッコ良いバイクだ!」というのがメインだった。

右も左もわからないから、雑誌やカタログを読んだりして頭に知識を詰め込んでいた。「ブロス400の52°狭角Vツインエンジンは滑らかで鼓動感があり…。ホンダ・ブロスとヤマハ・SRXを比べると…。」と雑誌やカタログに書いてあることを信じて疑わなかった。知識を増やして、早く大人ライダーになりたかった。

ブロス400

何事も雑誌に書いてある通りで、雑誌の内容に嘘偽りは無いと信じていた。2~3年以上バイクに乗っているライダーの言葉に、嘘や間違いは無いと思っていた。バイク屋さんは専門家だから、その話となると神の声のようなもので、何でも「なるほど!」と信じてしまった。

人間の幼年期において、育った環境や躾がその人の人生に大きな影響を与えるのと同じで、良いバイク屋さん(バイクを楽しむ良い環境)と出会うこと、良いお手本となるようなベテランライダー(日本人としての良い躾をしてくれる人)と出会うことは大切なことだと思う。

日本人として生まれても、お箸の持ち方を間違ったまんまで何の注意もされず育てられ、お箸を上手く使えないまま大人になり、大人になって初めて人前で上司に注意されて恥をかき、さらにそのまま年を取り、無邪気な孫に「お爺ちゃんはお箸の持ち方がヘンだ。」と言われて惨めな思いをする。不幸なことだと思う。

等間隔で走る

バイクに関する知識だけ豊富で、実体験が乏しいためキチンとバイクに乗れないけど、やる時はやるョ、といった演出をしている、モノの販売を主体としたバイク店員やベテラン風ライダーは意外と多い。

そういうバイク店員やベテラン風ライダーの言葉は、所謂カタログトークで深みが無いけど、相手を悪い気にはさせない。しかし、こういう人達は躾をせずに子どもを甘やかす親に似ているから、要注意だと思う。

日本のライダーとしての躾をされないライダーは、お箸の持ち方がヘンなまんまで大人になった日本人と同じなのではないかと思う。私も幼年期ライダーの時には、雑誌の記事や写真には、随分と振り回された。

ネイキッドに乗るならコレでキマリ!という記事に踊らされて、デザイン的にも機能的にも三流の装備をして、必要も無いのにハングオンっぽい乗り方をしたりしていた。今思い出すととてもカッコ悪くて恥ずかしい。

私の場合は、幸いにも、NWJCというバイク屋さんと高田さんのようなベテランライダーと出会って、バイクライフを楽しめる環境を得たことにより、目から鱗的に補正することが出来た。

大型免許を持っていても思春期ライダー

さて、バイクの操作が一通りスムーズに出来るようになると、何と無くバイクに乗れている(大人びた)気がして、思春期ライダーの段階に達する。

私は、思春期ライダーの時、XLR250Rでエンデューロレースに参加して、一人前のライダー以上になったと錯覚して、自分の実力を過信してしまって、調子に乗ってスピードを出し過ぎたりして、スピード違反で捕まったり・・・・、転倒して怪我をしたりして…、というようなことが度々あって、何度もイタイ思いをした。

私は大型免許を取得した後、BMW R1100GSでは、イタイ思いをした。

今までに体験したことの無いことを体験している時には充実感がある。大型バイクに乗って、そういう充実感ばかりを求めていたので、自分の実力を過信してしまって、いつの間にかバイクの性能が自分の実力だと思い込んでしまって、自分の実力以上の走りをしてしまった瞬間に、バイクが私の身体をポーンと放り投げて(柔道の有段者に投げられたみたいだった…)しまったのだ。
アッと言う間の出来事で、大型バイクの恐ろしさを身を持って体験した。

R1100GS

入院するような大怪我は免れることが出来て良かったけど、この頃もライダーとしての私自身を客観視できない未熟者だったと思う。大型免許を取得しても、まだまだ思春期ライダーだったのだ。

また、思春期には、経験が無くて自信は無いけど、大人っぽく見せたいから背伸びしがちだ。世の中には、そういう心理に付け込むようなニセ情報が飛び交っている。

WGPレーサーにステッカーが貼ってあれば一流メーカーだ!と思ってしまうし、内容的には三流だけど雑誌に一流っぽく宣伝してあると一流ブランドだと思ってしまう。

本物を選ぶのは実に難しいと思う。この思春期ライダーの段階で、騙されたまんまで本物に出会えず、バイクの楽しさを味わえなくなって、バイクに飽きてしまって、バイクに乗るのを辞めてしまう人もいたと思う。

「最新型の電子制御装置のついたツアラーはサイコーだよ!」という甘い言葉に惑わされず、今は無機質な最新型に一線を隔して、バイクとの会話の弾むOHVのR100RSも愉しんでいる。

OHV

本物を見極める力を身に着けるには、根気良くお金を使って独学でバイクの楽しみを追究していくか、信頼できるバイク屋さんを見つけて良いバイク仲間の輪(和)に入るしかないと思う。

青年期・壮年期ライダーになって

それでも飽きること無く(懲りずに?)バイクに乗り続けていると、やがて青年期ライダーの段階に到達したらしく、私がバイクと出会って得たものを振り返り、私の生活の中でバイクライフが如何なる意味を持っているのか、真面目に考えるようになった。バイクが私の健康療具になったのはこの時期からだろう。

バイクは私の生活には欠かせない素敵な乗り物になり、私はバイクを愉しめるようになった。その切っ掛けになったのは、間違いなく、トレッキングごっこを始めたことだった。

丁度この時期にスクランブラーと出会い、この過程を一緒に過ごしてきたスクランブラーには、特に愛着があるから、共に過ごす時間は、気心の知れた相棒との会話が弾むように、充実しているのではないかと思う。

それからも私はバイクを愉しむことを続けている。いつの間にか、バイクの魅力や関わり合いに、奥深いところを垣間見る機会が増えて、いつまでもバイクに乗り続けていたいと思えるようになった。

それは、壮年期ライダーの段階に到達することが出来たということじゃないかなあと思っている。高田さんが提唱されるゴールドウイング適齢期というのもこの段階からなんじゃないかなあ、スクランブラーだけじゃなくゴールドウイングとも、もっと親しくなりたいなあと思ったりしている。

ゴールドウイング

私はこの先、老年期ライダーになるのだろうか?それとも熟年期ライダーになるのだろうか?私はいつまでもライダーで在り続けたいと思っている。だから、体力的に大型バイクを楽しめなくなった時には、熟年期ライダーになって、幼年期から壮年期を振り返りつつ、カブ110を愉しみたいと思う。

2014-03-04
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