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悠々ファンライド

悠々ファンライドのメンバー 澤田さんの試乗記

2013-09-07

NC700Xのその後 前編

前回NC700Xコンプリートの試乗を得て、自分のNCにも同じWPフロントサスをどうしても入れたいと依頼したら、プロトタイプで良ければOKということになり、今回は自分のNCがノーマルの時と比べて変わったと思う事について書きたいと思います。

今回はNakaさんと村田さんと一緒に150キロ程走りましたが、社長の備忘録(ブログ)を読みNCに興味を持ったNakaさんは試乗車のNCを借り、スクランブラー乗りとしての目線で感じた事をブログに挙げている。私はまだまだ抽象的な事しか言えないのでこちらも読むと参考になると思います。

スクランブラーの備忘録

WP スプリング入れ換え直後

スプリングを入れ換える作業を見せてもらいましたが、専門的な知識を持たない私からしたらこれらの違いがどうしてこんなにも走りに変化をもたらすのか不思議です。今回の交換までに15,000キロ程乗りましたが、フォークから出てくる古い液は、後で見せてもらった新しい液に比べて想像以上に濁っていたり、液に混じっていた鉄粉が錆びていたりと驚きました。

フロント周り

エンジンオイルに鉄粉が混ざるのは、なんとなく想像出来ますがフォーク内でもこんな事が起きているとは思いませんでした。後はプリロードを調整出来る物に交換しましたが、どうしてこれを使うのかについて教えてもらいました。この辺りの事は省略しますが、スプリングも長い目で見ると消耗品の一つなのだなと思いました。

入れ換えた直後に少し走ってみたところ、あれ?といった状態になりました。ノーマルの頃に比べると確かに良くなっていましたが、試乗車に乗った時(2ヶ月程前の事なのでうろ覚え)に比べるとイマイチな感じでこの程度だったっけ?と思いました。 
また、この時にフロントエクステンションフェンダーを付けてもらいましたが、翌日効果を実感しました。

「お店のNC>入れ換え直後のNC>入れ換え前のNC」 というような感じでした。これは入れ換えたばかりで動きが渋く、サスペンションやスプリングもナラシが必要とのこと・・慣らしもしていない状態だから徐々に馴染んで同じ様になることを教えてもらいました。

フロントフェンダーについて

翌日100キロほど走りましたがあまり変化を感じられず、うーんまだ先は長いなあと思っていましたが、この日は上でも書いていたフロントフェンダーを延長した事による恩恵を実感出来ました。

タラガトンネルという所をこの日は通ったのですが、トンネル内は見るからにウェットな状態でマズいなあと思っていたら案の定汚れました。リアがタンデムシートにも届く程汚れたのに、フロントは触媒付近がキレイなままでビックリしました。エクステンションフェンダーを付ける前は触媒付近がよく汚れるのにしっかり清掃していなかったので、気づいた時にはくすんだ10円玉のような色でした。今は磨いたので以前ほど汚くないです。

フェンダーエクステンダーフロント周り
リア周り汚れ

これが機能パーツであると実感するとともに、私は面倒くさがりなのでもっと早く取り付けて貰えば良かったなあと思いました。ネタ話ではなく、実体験に基づいた事は何も分からない人でも最初から「外れ」を掴む事無く「当たり」を引けるので価値のある情報だと思います。

ツーリング当日での変化

このツーリングによって試乗車と同程度にはなりませんでしたが、フロントサスの変化を感じました。お店から出発した直後では路面からの突き上げや曲がる時などイマイチな感じでしたが、休憩中にNakaさん・村田さんに走りについてのアドバイスを貰い、トレッキングごっこの時に感じた事をイメージしながら走っていると、気づいた時にはサスの動きの渋さも緩和?されて、車両との一体感を感じたり、接地感もより伝わるようになり交換前に比べて安心してバンクさせられるようになりました。

まるで、バイクが自分の手足の延長になった感覚(ベテランの方々と比べるとまだまだ未熟ですが自分なりに)が走っていてとても楽しいです。自分のNCが進化した実感を得ることも出来て、走った距離は短くても有意義なツーリングでした。

御嶽を望む

エンジンについても、いつもより低めのギアで高回転まで回していたのもあってかエンジンの回り方も軽やかになったような気がしました。無茶や無理をしないのは大前提だと思いますが、エンジンでもサスでも色々な負荷を掛けてあげないと慣らしをした内に入らないのかなと思いました。

社長は、マフラーの焼けやテールパイプを見たり、音によりエンジンの調子や使い方が大体分かると言っていましたが、私から見ても自分のNCより試乗車の方がエキパイの焼けた色が鮮やかに見えます。

ツーリング到着後

お店に戻ってきてからまた試乗車に少し乗らせてもらいましたが、発進直後から「えっ!?」とショック状態でした。慣らしが出来てるのと、出来ていないのではこうも違うのかと思いました。エンジンは2,000回転以下の粘り方や回り方など、これが同じ物なのか? 

交差点・コーナーで自分のイメージしたラインに自然に曲がるのはどうして?と思うほど違う感じがしました。戻ってから聞いたのですが、使っているエンジンオイルの違いだとか、履いているタイヤ(自分のNCは純正のBT-023でNWJCの方はスコーピオントレイル)の違いもあるだろうが、右手に大きな違いがあるのでは・・・と言われました。タイヤについては、社長の話でメッツラーのツアランスネクストが良いのではとの事を聞いたので次のタイヤはこれに決まりだなと思いました。

何の為の高性能か

前回のレポートにも書いていますが、お店のコンプリート車に試乗するまで高性能と呼ばれるパーツ等はどれもより速く走る為にあるのだと思っていました。ですが、フロントサスを入れ換えた自分のNCに乗っていると以前よりバイクと自分の距離が近くなった気がして(精神科医の村田さんがコラムで書かれていた事に近い?)操っている感覚がとても楽しく、この楽しさは速度に囚われないものではないかなと思いました。

バイクは健康療具

NWJCで使われる物は1分1秒を削る為に使われる高性能パーツとは違い、公道でのさまざまな状況に対応出来るように、車両のバランスを整える為に使うのだと試乗車に乗ってみて思いました。例えばタイヤでも、ここのお店ではハイグリップタイヤよりも色々な条件の中で走るためにツーリング、オン・オフタイヤを履くバイクが多いような気がします。

私はここ数年のバイクしか知らないのですがABSはもちろん、エンジンの出力特性の切り替え、トラクション・コントロールなど私のような素人が見てもハイテクだなと思う物が付いているバイクが増えてきていると思います。

私のようなライダーでもこれ等を搭載する事によって、CBR1000RRのようなSSと言われるバイクに乗れたとしてもこれはとても危険ではないかなと思います、乗った事が無いので想像ですが。

乗る人の力、感覚ではコントロール出来ない程の力を持つバイクをコンピュータで補助するのは、「良く」見ればレースのような極限状態ではより速く、市販車で一般の人が使うのならば安全に繋がるかもしれないですが、ライダーとバイクとの距離を曖昧にしてしまい、気付いた時にはもう生死の境界線を超えているような事も起こりうるのではないか・・・。

私は色々なバイクにも興味があるのでCBR600RR・1000RRにも乗ってみたいと思う気持ちもありますが、お店で話を聞いたり、NCに自分なりに乗ってみて感じた事は、もしCBRに乗って楽しむとしたらサーキット走行がメインになるかなと思います。鹿にぶつかるような鈍感運動音痴ライダーなのでその機会は来ないだろうなあと思いますが・・。

トレッキングごっこ

先月機会があり、トレッキングごっこに初めて参加しました。この時はNさん、Mさん、Kさん、Tさん、私の5人で行きましたが、これは指導してくれる人や車両の貸し出し・整備をして下さるお店など様々な協力があって、私のような初心者でも安全に遊ぶ感覚で行えるのであり、さらにライダー同士のコミュニケーション(会話の上手い下手に関わらず)もあって、この「ごっこ」から感じたり得る物があるのかなと思いました。

歩くのと同じような速度でアクセルの操作を繰り返す、という事を前から聞いていて、実際に参加するまでは「競技で使われるバイクとは違う、公道も走れるようなバイクがスキー場みたいな急斜面で半クラもせずにそんな事が出来るのか?」と疑っていましたが本当にやりました・・・。

トレッキングごっこで使われるSL230・XR230はトレッキングごっこ仕様にしてあるとの事ですが、それにしてもエンジンがここまで粘る物だとは思っていなかったので衝撃的でした。

この日はもう何回やらかしたのか分からなくなるほどエンストしました。エンジンの音も聞きながらアクセル操作をするのですが、エンストするか!?と感じた時にゆっくり開けようとしても腕に力が入っていて間に合わないと「バスン」、腕の力が抜けていてもズボラに開けてしまうと「バスン」、とにかく丁寧に状況に合った操作をしないとバイクが叱責の代わりにエンストという形で意思表示してくる気がしました。

今までニーグリップは何のためにやるのかあまり分かっていませんでした。斜面を上り下りする時、体を支える為にハンドルを握れば力が入り、アクセルの丁寧な操作が出来なくてNakaさんからのアドバイスを受け考えた結果、ニーグリップをした上で腹筋・背筋を意識して体を支えると腕が自由になりアクセルの操作がしやすくなる事に気づきましたが、これまで特に意識していなかったので翌日は筋肉痛で悲惨でした。

エンストだけでなくこの日だけで5回は転倒したのですが、ゆっくり走っている状態から草が生い茂る所に落下するので怪我をするような事もありませんでした(プロテクターはもちろん着用)。高校の頃に自転車でこけた時の方がよほど痛かったなあと思いました。

参加してようやくトレッキングごっこのスタートラインに立つと以前から言われていましたが、実際に体験してみて確かに1回行った程度では駄目だなと思いました。

ただ、この初参加によって普段使うリードやNCに乗る時でもトレッキングごっこで感じた事を意識して乗るようになり、自分がバイクに近づいたような気がするし、走るのがより楽しくなったのできっかけ作りにはなったと思います。
もちろん、また機会があれば是非参加したいです。

トレッキングごっこについて詳しくは、『バイク屋の備忘録 トレッキングごっこ001』を参考にして下さい。 

澤田 亮
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愛車:NC700X||Lead
NWJCから:スタンダードのNC700Xに乗るライダーが、外観が僅かに違うだけに見えるNC700X NWJCコンプリートを、試乗ツーリングにて実走させて感じたこと思ったことは・・・。
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