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悠々ファンライド

悠々ファンライドのメンバー 澤田さんの試乗記

2013-07-13

NC700X NWJCコンプリート試乗記

去年の3月から通学快速であるリード110に加えて、初MT車にNC700Xを選んで14,000キロほど乗っている私が、今回お店の試乗車でショートツーリングをさせてもらえる機会を得て、Nさんに先導してもらいながら走ってきて、自分の車両と違う所が沢山あったのでNC700Xのオーナーさんや興味のある人に伝えたく、NWJCさんにこの場を作ってもらいました。

NC700Xコンプリート

自分の車両について

乗る時はサイドケースをつけて走る事が多く、街中など60キロ以下でゆったり走る分にはまだマシだが、郊外に出てワインディングを走るようなペースになると走りにくい。原因は自分に技量が無くヘタクソだからだろうと思い込んでNCには駄目なオーナーで申し訳ないとツーリングに行くたびに思っていました。

試乗ツーリング01

コーナーが連続しているような所だと特に酷く、フロントはどんどん倒れこもうとするのにリアはそれに付いてこず、ちぐはぐな感じがして操るどころか「乗せられている」感があるし、フロント側は接地感が希薄でタイヤはちゃんとグリップしているのか、どこまでならバンクさせても大丈夫なのか分からず、狭い道の下りは怖くて仕方がない。交差点やUターンなど低速で曲がる時は自分が思っている以上にフロントが切れ込んでいくので対応出来ずこける事もありました。

試乗車に乗ってみて

いざ、お店から出発して路地のような細い道を走っている時点でこれは別物だった。フロントのスプリングを変えているとの事で、跨った時は自分の体重ではほとんどストロークせずこれは硬すぎなんじゃないかと不審に思ったが、走り出して一気に印象が良い方向に傾いた。自分の乗り方に原因があると思っていた、フロントがどんどん倒れてく現象がこれには無く自然でとても曲がりやすい。

他にも路面のギャップで真下からガツンと突き上げられるような衝撃が和らいでいたり、シフトチェンジ、アクセルをオンオフさせる時やブレーキをかける時でも挙動の変化が少なく、疲れの元になる負担が軽減されていた。

フロント周り

信号で止まるような場面ではノーマルではサスが動きすぎておっかなびっくりで真っ直ぐに止まれず格好悪いなと思っていたのが、こちらでは何事もなくスッと止まれた。驚いたのはブレーキの効きが良くなっていた事、これは高田社長の備忘録にも書かれていたがフロントの路面への追従性が上がったからとの事を戻ってきてから知った。

ワインディングに入ってからは前後で違う動きをしていた自分のNCに対して、動きに一体感があってケースも付けた状態なのに軽快に曲がっていく。あれだけ怖かった下りのコーナーも曲がりやすく、フロントに接地感があるので落ち着いて走れた。

試乗ツーリング02

ツーリング後半は自分が1人で走る時のペースより上だったはずなのに気持ちにもいくらか余裕があって走っていてとても楽しかった。帰ってきてからこんな車両で長距離ツーリングや北海道に行けたらとても幸せになれるだろうなと夢想していました。

ただ、これは前提としてまずエンジンのコンディションが整っていて車両の特性を知ってから不満な所を改善して、楽しくいつまでも走れるように目指したからこれだけ乗りやすい車両になっているのであって、バランスを無視してただ高性能なパーツを取り付けただけではこうならない、NWJCさんがこれまで積み重ねてきたノウハウがあるからこそ出来た事だと思いました。

へっぽこライダーを自負するほどの私はこれまで高性能なパーツを取り付けるのは自分には意味の無い事だと思っていましたがNWJCで使われる物はかっ飛ばすためにではなく、お店のテーマでもある「速さより心地よさで走り続ける楽しさ」を実現するためであり、自分のような初心者にこそ必要な事だと思いました。

上でも書きましたエンジンのコンディションを整える事を自分のNCにも去年の9月にしてもらいましたが、コンディションを整えて貰ってからは全域で力強くなって、アクセルのオンオフにも付いてくる程滑らかに回るようになり、車体が重さを感じさせない、軽く感じるようになりました。ネットで見かけたりする車両のバランスを無視して馬力をかせいだり、排気音のためにアフターマフラーに付け替えるのはまずいのではないのだろうかと思いました。

エンジンコンディション

アクセサリーについて

自分のNCにはヘプコのサイドケースを付けているがステーが車体から離れすぎていて幅が90センチを超えてしまい狭い道で車とすれ違う時など、車両の感覚に自信がないので怖い時があります。ケースも届いて実際に見てから嫌な予感がしていましたが、最近プラスチックの部分にヒビが入っており蓋のヒンジも同じプラスチック製なのでいつ壊れるのかと不安です。NCに乗り続ける間くらいは持つだろうと思って多少高くても買ったユーザーは他にもいると思います。社外品ならともかく、カタログでホンダ推奨の物だと信用して買う人もいるのだから採用しているパーツを考え直した方が良いと感じました。高くてもいい物で何年も使えるなら元は取れるのだから、安物買いの銭失いにならない為にも妥協しては駄目な事もあると思います。

パニア比較
左:NWJCコンプリート試乗車(ツラーテック)/右:私のNC700X(ヘプコ)

試乗車に付けているツラ-テックのケースはヒンジのところは金属製だったり蓋がどちらからでも開けられたりと考えられていると思いました。NWJCさんはこれを取り付けるためのステーを独自に開発して付けていますがヘプコのステーより車体の近くにケースを取り付けられるようにしているだけでなく、荷物をシートの上に載せる時の事を考慮してケースとシートの高さが一緒になるようにしてある。こういう細かい所も今までの経験を蓄積して実際に試し、バイク屋としてライダーとしてバイクに乗り続けているから出来る事だと思いました。

パニアケース比較

試乗車の方が社外品を使っているはずなのに、こちらの方が見た目も纏まっていて純正の物に見える。比較写真を見られるのがつらいです・・・。

NWJCさんはバイクだけでなく、ヘルメットなどの用品についても相談したら丁寧に説明をするだけでなく予算も考慮した上で色々提案して下さります。右も左も分からない私にとって、売るためではなくお客さんの目線で話して下さるので説得力もあります。こういったお店はバイク屋に限らず、そうそう無いと思います。自分の住んでいる地域にこのようなバイク屋があって助かりました。

人としてもライダーとしても、とても未熟な自分ですが、これからも安全には手を抜かず感性を磨きながら何年何十年もバイクに乗り続けたいです。

最後に先導して下さったNさん、試乗車を貸して下さったNWJCさん、ありがとうございました。

続 自分の車両について

後日、ケースを外した状態にして少し走ってみましたが倒しこむのが軽いのは低重心だけでなく、フロントサスも一因ではないのかなと改めて思いました。こちらよりも試乗車の方がただ軽いだけで無く接地感が有り、走っている時は一体感が有るのでノーマルより疲れにくいだろうなと感じました。

続 エンジンについて 

後日、自分のNCもエンジンのコンディションは整えているのに試乗車に乗ってみて回り方?など何か違う感じがしたのでさらに手を加えているのかどうかを高田社長に聞いたところ、エンジンに「当たり」がついているかどうかの違いだろうと教えてもらい、これもまた経験になりました。

続 サスペンションについて

フロントばかり感想を書いていたのでリアについて。ネットで乗り心地に不満を感じる人や足つきに不満がある人がプリロードを調整する(メーカーとしては調整機能無しと言っていたはず)というのを何度か見かけましたが、私は今のところ不満はありません。試乗車もリアはノーマルのままで、リンク類のグリスアップ(新車の整備の時は必ずやっているとの事)をしてあるだけだと聞きましたが、フロントはWPサスペンションのプロトタイプが組み込まれているが、前後のバランスが大切だからこれをしっかりやらないといくら高性能の社外品を入れても駄目らしい。

以前リアシートに体重を掛けてリアサスをストロークさせる遊び?をした事がありました。動いてない時は柔らかいのに走っている時はそれを感じさせないから不思議だなと思っていましたが、自分には比較対象が無かったのでこれが当たり前だと思っていました。不満に感じる人は一度グリスアップを試してみると良いかも。

足つきに関して

私は身長が167センチ弱しかないですが少しお尻をずらせば片足が踵まで着くので、それで停車中に怖い思いをする機会は少ないです。よく、インプレッションなどで両足を着けている画像を見ますが、実際止まる時にそうする人は余程股下の長さに余裕がある人くらいだと思います。人それぞれ体格や筋力が違うので乗り方も十人十色だと思われます・・・。

足つき

続 アクセサリーについて 

試乗車にはハンドガードが付けてありますが、NCは見た目がそれっぽいだけで完全にオンロード向けだと言われているので私自身も先入観から見た目の為に付けていると思っていました。ですが、実際に走ってみて空気が冷えている長いトンネルに遭遇した時に、このガードが風を防いで手が冷えるのを防いでいたので冬場はあった方が良いだろうなと感じました。

ナックルガード

他にも舗装路を走っていても石が飛んでくる事もあるし、転倒した時にレバーが曲がるのを防いだりと意味があるから付けているんだよと高田社長に教えてもらいました。 使っている人にとっては当たり前でも体験した事がない人にとっては分からないのですからこういった事も経験を蓄積する事によって出来る事なんだと思いました。

サイドスタンド比較
左:NWJCオリジナル/右:NC700X純正

エンジンガードも700Xはラジエーターがむき出しなので、そこまで保護出来るであろう物を選んだとの事。他にも試作のステップでスタンディング走行などをしやすくしたり、タイヤだとスコーピオントレイルや、サイドスタンドの接地面のサイズアップ、サイドミラーの延長キットによる死角の軽減など、もし旅先で不意の未舗装路や、アクシデントにあってもライダーが安心して走り続けられるようにと思い、必要だと感じたから装備しているのだなと思いました。

ステップ比較
左:NWJCオリジナル/右:NC700X純正

これだけ色々装備、改善しても同カテゴリーの中では比較的安いので排気量やブランドに囚われず、ロングツーリングを楽しみたい人は一度NWJCの車両を試乗してみるといいかも。ああだこうだと想像や先入観で決め付けるより、乗って自分が楽しく乗れるのかどうかを実際に体験した方が、感覚が人それぞれ違う他人が書いたインプレッションより当てになると思う。高田社長の言う工業製品と道具としての車両の違いが分かるかもしれない、自身もまだ分かってないかも・・・。

蛇足事項

NC700Xのシートでお尻が痛くなる方がいるみたいですが、ツーリングの時はNWJCオリジナルの革パンを穿くので滑ってポジションがずれる事も無くあまり痛くはならないですし、夏場でもインナーを穿いていれば意外と蒸れず楽です。ジーパンだとつっぱったり、夏は蒸れ、安全性は・・・、なのでツーリングの時は革パンを使っています。

革パン

これが学生にはとても高く買うかどうか非常に迷いましたが色々話を聞いて、安全には出来る限り手を抜きたくなかったので買うことに決めました。革製品で、かつオーダーメイドとどちらとも初体験でしたが、手に持ってみるとそれなりに重いのにいざ穿くと体に合わせて作られている為かちっとも重たく感じませんでした。ここでも、パンツがお腹の辺りまでと長かったり、膝下は足を曲げた時に踝が出ないようにしたり革が縮むのを前提としてだぶつくほど余裕をもたせている(こんなに大きいのがオーダーメイド!?、と思ってすみませんでした)など素人なのでどうしてなのか分かりませんでしたが、使ってみてこういった部分がありがたく感じる機会もあり、良く考えられているなと思いました。自分も高田社長たちのように10年20年、それ以上愛用して価値ある逸品にしたいです。

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